アルカディア（arcadia）／広尾

広尾の商店街から明治通り方面に向かったところの「アルカディア（arcadia）」。私の推しのお菓子屋さん「アルノー・ラエール」のお向かいです。軒先のグリーンとテラス含めたエクステリアがかわちいです。
満卓でも10席ちょっとでしょうか、カウンターにテーブルが少しと小さなお店（画像は公式ウェブサイトより）。ところで客がイッヌを連れてきており、私はワンちゃん大好きマンなので寧ろテンション上がるのですが、ダメな方はちょっとアレかもしれません。

藤田正美シェフは恵比寿の「ALMA」を経て独立。青森県出身だそうで、青森県の食材を多用するのが特徴的。
グラスワインは千円を切り、ボトルであっても5千円台から始まる親しみやすいお店です。広尾ってだけでナメた価格設定をするお店が多い中、当店は近隣住民に確実に愛されることでしょう。賭けてもいい。
さっそくスペシャリテがやって来ました。ズワイガニとホタテ貝のタルタルとカリフラワーのムースを重ね合わせティラミス風に仕上げています。これはもう、どう考えたって美味しく、実際とっても美味しい。初手から胃袋を掴まれました。
旬の花ズッキーニ。ズワイガニをギュウギュウに詰めてフリットにします。先のティラミス同様に旨味が爆発し、アクティブな旨さです。添えられたズッキーニのテリーヌもお洒落な味わいです。
パンも手が込んでおり、とりわけ青海苔（？）を練り込んだゼッポリーニが良いですね。磯の香りがプンプンに漂い後を引く美味しさです。
オイルベースのパスタには色んな野菜がたっぷりと組み込まれ、仕上げにカラスミをぶっかけます。やはり旨味が強く、酒を呼ぶパスタです。炭水化物ながら野菜をたっぷり摂れるのも嬉しい。
青森産のヤリイカを赤ワインで煮込み、イカスミのスパゲッティとして頂きます。こちらも旨味がつよつよで、麺だけで美味しく、ヤリイカで頑強な食べ応え。先のパスタ同様にワインがどんどん進みます。
メインは青森産の鴨胸肉のローストをチョイス。身は厚くシットリとした口当たり。噛みしめるほど鉄っぽい旨さが滲み出て、やはり赤ワインに良く合う。脂の甘味も心地よく、理想的な肉料理です。
アラカルトで好き放題に食べ、かなり飲んでお会計はひとりあたり1.5万円ほど。料理の質および量を考えると見事な費用対効果であり、広尾商店街から表彰されるべきでしょう。

居心地も良く、ご近所さんが今夜は旨いもん食べに行くぞと気軽に訪れている雰囲気が堪りませんね。「レストラン オカダ（OKADA）」にせよ、このあたりは客層含めて上質なお店が多い。ランチもやっているようなので、今度は昼のテラス席にお邪魔しようかしら。

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