大阪は谷町六丁目から二子玉川へと移転してきた「前芝料理店(まえしばりょうりてん)」。大阪時代には食べログで百名店に選出されおり、根強いファンを誇るお店です。場所は二子玉川駅から歩いて10分弱。二子玉川小学校のすぐ近くです。
半地下と呼ぶのでしょうか、風変わりな空間づくりであり、ドーンと大きいダイニングテーブルが印象的。この他にも丸テーブルが用意されているようです。
ワインはフルペアリングで1万円だったかな。そんなに飲むテンションでもなかったので、まずはビールを頂き、その後はワインをグラスでいくらか頂きました。このビールは日本のもので初めてお目にかかりましたが私の好みです。
まずは生ハム。眼の前でスライスされ臨場感満点。ブツはアメリカ産なのですが、作り手はイタリア人であったりとグローバル化の波は生ハム界隈にも訪れています。生ハムの美味しさは当然として、添えられたタマネギのキッシュが大地を感じさせる甘さでデリシャスです。
続いてコンソメのジュレにウニ。おお!これはまさしく北島亭!丁寧に研ぎ澄まされたコンソメだけでも見事な出来栄えなのに、コクの深いウニを贅沢にダバダバ頂きました。シャバダバだぜ。
野生の細長いアスパラガスにホタルイカとそのソース。仕上げにミモレットを散らします。濃い緑を感じさせるアスパラに、程よい苦味と強い旨味を感じさせるソースが良く合います。
パンはドッシリと密度があり穀物を強く感じさせます。ここだけの話、先のホタルイカのソースと合わせて無限に食べることができます。フォアグラに焼いたタケノコ、フキノトウのソース。私は自らの消化器官の大部分をフランス料理に費やしてきたのですが、この組み合わせは初めてかもしれません。フォアグラのリッチな脂とタケノコの端正な味わいがとてもよく合う。
お魚料理はマナガツオ。みっちりとした食感のマナガツオに春のキャベツをたっぷりのせて頂きます。
お魚料理はマナガツオ。みっちりとした食感のマナガツオに春のキャベツをたっぷりのせて頂きます。
お肉料理は複数から選ぶことができ、我々は「花乃牛」というブランド牛のクリの部分を頂きました。真っ赤なお肉と思いきや、意外にも細かくサシが入っており、繊細で歯切れ良く美味しい。炭火の香りも食欲をそそる。加えてドッシリとしたソースにそのワンパクなサイズ感はシェフの古巣を想起させます。
付け合わせにゴソっとポテトグラタンがやって来、その王道極まる味わいに恵比須顔。「a table (ア ターブル)」にせよ、こういう世界観で押してくるフランス料理が私は大好きだ。
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デザートかチーズを選ぶことができ、私はデザートをチョイス。紅茶のブランマンジェにハチミツを感じさせるアイスクリーム。フワフワと軽く淡い口当たりがら素材感の強い逸品です。
小菓子と紅茶でフィニッシュ。ごちそうさまでした。以上のコース料理が16,500円で、お酒をそこそこ飲んでお会計はひとりあたり2万円強。都心で楽しめば倍は請求されそうな料理の質および量であり、このレベルのフランス料理店がやって来たことに二子玉川は祝杯をあげましょう。
ランチ活動も活発で、地域に根付いた愛されフレンチになること間違いなし。近くのゲストがフルペアリングで臨んでおり中々のクラスが提供されていたので、次回は私もフルペアリングでお願いしたいと思います。
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- ガストロノミー ジョエル・ロブション ←最高の夜をありがとう。
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- ナリサワ ←何度訪れても完璧。
- elan(エラン) ←表参道のナポレオン。
- 銀座 大石 ←自分が働くならこういう職場。
- ナベノイズム ←世界観がきちんとある。
- ル・マンジュ・トゥー ←接客は完璧。料理は美味そのもの。皿出しのテンポも良く、とにかく居心地の良いお店。客層も好き。
- エルヴェ(eleve) ←アラカルトでもコースでも自由自在。
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