白金高輪駅から歩いて5分ほど、三光坂の少し手前に2021年秋にオープンした「TRATTORIA Fragranza (トラットリア フラグランツァ)」。私の推しのフレンチ「テチュ クラシック エ ナチュール (Têtue. ~classique et nature~)」の並びにあります。
アイボリーを基調とした柔らかい雰囲気の店内。奥に細長くテーブル席のみで20席弱といったところ。軒先にはちょっとしたテラス席もあります。
露木裕史シェフは漁師からイタリア料理の世界へ入った興味深い経歴で、イタリアでも経験を積んだそうです。
ランチセットには食後のお茶が付くのですが、500円の追加料金でワインへと変更可能。こういう思想の持ち主のお店は良いことが多いです。まずはミネストローネ。野菜たっぷり滋味あふれる味わいで内臓が休まります。ところで最近、我が家にはシャープの「ヘルシオ ホットクック」が導入され、上質な具沢山スープへのアクセスが格段に良くなりました。とても丁寧な生活を送っています。こんにちわ。
前菜盛り合わせ。ランチコースのそれとしてはリッチなラインナップであり、この時点でワインの2杯目を注文するか真剣に悩みました。
ショートパスタは赤海老とフキノトウで頂きます。赤海老が昨今類を見ないほど気前よく投入されており、甲殻類の旨味に淫します。パスタのクニクニした食感と合わせて屈託のない美味しさです。
メインは仔羊。しっとりと熱が入れられミルキーな甘味がふんわりと増します。3,500円のランチコースできちんとしたラムをお出し頂けるとは嬉しい限りです。デザートはミルクのジェラートにクラシックなプリン。豊潤な乳脂肪が艶っぽい甘味を湛え、またプリンからは卵のコクがリッチに感じられ骨太な味わい。
以上のコース料理が3,500円で、飲み物をスパークリングワインに変更してもらって合計4,000円。料理の質ならびに量を考えれば見事な費用対効果であり、次回は夜にお邪魔しようと期待させる食後感。ランチにサクっとパスタだけ食べに来るのも良さそうだ。
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イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。
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イタリア20州の地方料理を、その背景と共に解説したマニアックな本。日本におけるイタリア風料理本とは一線を画す本気度。各州の気候や風土、食文化、伝統料理、特産物にまで言及しているのが素晴らしい。イタリア料理好きであれば一家に一冊、辞書的にどうぞ。