海人の町、糸満で2013年に旗揚げして以来、圧倒的な人気を誇る「糸満漁民食堂(いとまんぎょみんしょくどう)」。連日満席のお化け店であり、私は18:15に記帳に訪れましたが、あと数組で受付終了とギリなタイミングでした。
かなり気合の入ったプロジェクトなのか、内外装含めてとっても素敵な仕上がりです(写真はヒトサラ公式ウェブページより)。店内はテーブル席と小上がり席が半々といったところで、基本的に子供が走り回っています。家族連れが多いためか恐ろしく回転が悪く、記帳台上では僅か3-4組の待ちだったのですが、着席までは1時間近く待ちました。
軒先で待っている間にもゲストは次々と訪れるのですが、受付〆切の表示を見て絶望するシーンを幾度となく目の当たりにしました。タクシーで訪れた観光客なんて本当に地獄で、しかもこのあたりは近隣に代替となる飲食店は無くタクシーを呼んでも中々来ないエリアなので気の毒でしょうがありません。
スペシャリテは「イマイユバター焼き」であり脊髄反射で注文するのですが、その前菜が豪華。生魚を創作的に味付けしたものが3種並べられ、程よくスパイシーでとても美味しい。ハワイの「オノ・シーフード(Ono Seafood)」を彷彿とさせる味覚です。
海ブドウとイカのナントカサラダを注文すると、おや、ただのイカソーメンの海ブドウトッピングがやって来、サラダの定義がわからなくなってしまいました。しかも先の前菜と丸かぶりしています。価格が価格なだけに、このあたりのスタッフの気遣いの無さは覚悟して訪れましょう。お刺身5種盛り合わせ。これだけ盛って1,500円かそこらであり、東京のスーパーで買うよりも安くつきます。マグロ類は沖縄らしく淡白な味わいですが、白身魚はしっかりとした旨味があり見事な費用対効果です。
島野菜の天ぷら。沖縄の天ぷららしく衣に厚みがあり腹に溜まります。ちなみにサラダがさっきのアレだったので、当店でアクセスできる野菜はこれだけかもしれません。おお、これは、バターの味がします。きっとお魚そのものも新鮮で美味しいのですが、バターの風味が支配的であり、四捨五入するとバターかもしれません。お魚は何種か用意されているのですが、結局バターの味しかしないので、一番安い魚で充分でしょう。
〆にそば。沖縄の郷土料理「魚汁」をアレンジしたものであり、ブイヤベースと担々麺のあいの子のような面白い味覚です。魚介類のエキスはもちろん中華風のスパイスひいては豚肉の旨味まで感じられ、アバンギャルドな担々麺といった位置づけです。
「イマイユバター焼き」はデザートが付随します。こちらは「さんぴん茶のプリン」なのですが、お茶の風味が濃厚に感じつつリッチな口当たりが印象的。企画モノのレベルを超えています。浦添の「貝出汁沖縄そば キセキ.」でも感じましたが、沖縄はこの手のスイーツ作りが上手いのかもしれません。
以上を2人でシェアし、ノンアルコールビールを1杯だけ(連れは普通に)飲んでお会計はひとりあたり4千円ほど。わおー、これはこれはべらぼうな費用対効果の素晴らしさです。一方で、当店のコアコンピタンスはあくまで「安さ」であり、料理そのものは沖縄における一般的な居酒屋と同程度です。
人里離れた場所にある上、とにかく待つし受付〆切もあり使い勝手は悪いので、予定キツキツの観光客が訪れるにはハードルが高いかもしれません。中長期の滞在の際にイベント的にどうぞ。
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寒い季節は沖縄で暮らしているので、旅行やゴルフだけで沖縄に来る人よりかは一歩踏み込んでいるつもりです。沖縄の人ってネットに書き込みしないから、内地の人が知らない名店が結構多いです。
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- まーちぬ家/美栄橋(那覇) ←沖縄料理の決定版。
- とらや/小禄(那覇) ←沖縄そばならココ。空港からも近い。
- 玉那覇ウシ商店(たまなはうししょうてん)/久米(那覇) ←1日限定50食。麺がバリ旨い。
- ゴカルナ(Gokarna)/楚辺(那覇) ←沖縄の隠れた名物「スパイスカレー」の爆心地。
- 金壺食堂(きんつぼしょくどう)/牧志(那覇) ←チマキの概念が変わる店。50個も爆買いして自宅の冷凍庫で保存する達人もいるそう。
- O’s House(オズハウス)/久米(那覇) ←ステーキ文化圏を象徴するお店。地元客多し。
- 鉄板焼 朝日(あさひ)/名護(沖縄) ←北部で肉を食べるならコチラへ。
- Maison de Fujii(メゾン ド フジイ)/松山(那覇) ←このクオリティで1万円を切るだなんて。
- 6 (six、シス) /古宇利島(沖縄) ←世界でもトップクラスに眺望が素晴らしいフランス料理店。味も抜群。