店内は広く、焼き場を取り囲むカウンター席にテーブル席、お座敷もあります。ザっと見る限り50席以上はありそうで、焼鳥専門店としては目黒最大級かもしれません。
アルコールの値付けは良心的で、瓶ビールが660円に日本酒は1合で千円を切ります。なんと「多満自慢」という東京のお酒は2合で1,200円と、下手なレストランのミネラルウォーターよりも安いかもしれません。お通しは肉のお団子に車麩、大根などの炊き合わせ。品の良いお出汁が食材に染み入り、心あたたまる味覚です。
鳥わさ。上質なササミ肉の表面を軽く炙って頂きます。チューブのワサビと醤油をポイっと出して終わり、みたいな手抜きではなく、きちんとソース化して和えており、真心が伝わります。
「よし鳥サラダ」はビッグサイズ。単なるグリーンサラダとメニューには記載されていましたが、葉物は新鮮で質も良く、ドレッシングも上手く回っており美味しかった。
串焼きに入ります。つくねは程よい挽き方で、ザラっとした歯ごたえを楽しみます。タレの甘味は結構強く、分かりやすい味わいです。ちなみに鶏肉は播州地鶏や大山地鶏、甲州地鶏など部位によって使い分けをしているそうです。
せせり。首のお肉でコリコリとした食感が特長的。肉が美味しいだけに、ネギは別にいらんかったかも。
ハツモト。心臓の付け根部分であり、サクサクとジューシーが同居するナイスな味覚です。
こちらはハツ。ハツモトのサクサク部分を集めており、スナック菓子のように順風満帆に食べ進めることができます。
レバー。鉄っぽい味が強く、好みが分かれるかもしれません。もちろん私は好きな味なので、恐らくもっと大量の「レバーステーキ」を注文すれば良かったと少し後悔。
〆にチキン南蛮。なのですが、これはちょっと思っていたのと違いました。肉そのものは悪くないのですが、ソースがタルタルソースっぽくなく所謂オーロラソースに近いものです。私は「おぐら」のように卵たっぷりコッテリどろどろなソースが好きなのだ。
とは言え串焼きのレベルは総じて高く、料理も豊富で酒は高くないという酒場として完璧なお店でした。スタッフも多く、みな感じが良いのがいいですね。客単価3万円を超える超高級店もいいですが、個人的には焼鳥屋とはこれぐらいでちょうど良い・これぐらいがちょうど良いと感じたディナーでした。
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焼鳥は鶏肉を串に刺して焼いただけなのに、これほどバリエーションが豊かなのが面白いですね。世界的に見ても珍しい料理らしく、外国人をお連れすると意外に喜ばれます。
- 鳥しき/目黒 ←究極の普通。
- かさ原(かさはら)/神楽坂 ←客単価3万円オーバーという狂気。
- おみ乃/神谷町 ←「焼鳥と日本料理の融合」という新機軸。
- 鳥さわ/亀戸 ←焼鳥業界の最高峰「鳥しき」ののれん分け。
- とり澤(torisawa)/中目黒 ←グループの中では予約が取り易い。
- YASAKA (ヤサカ)/中目黒 ←サウイフモノニ ワタシハナリタイ。
- やきとり阿部/目黒 ←酒が安い。
- やきとり陽火(はるか)/白金高輪 ←滞空時間の長いホームランのような食事。
- シノリ(Shinori )/武蔵小山 ←フレンチ焼鳥。焼鳥屋としてトップクラスに好きなお店。
- 床島/三軒茶屋 ←ふたりで好き放題飲み食いして12,000円程度。
- 鳥政(とりまさ)/表参道 ←ランチの焼鳥丼が最高。
- 白金鳥とも/白金台 ←鳥政独立組はやっぱり最高。
- 鳥竹 総本店/渋谷 ←何この費用対効果信じられない。
- やきとり 嶋家/麻布十番 ←無名ですがオススメです。
- 【保存版】ミシュランを300店訪れた私が選ぶ、鳥貴族おすすめメニュー7選 ←番外編。