沖縄の観光客向けのメディアでは必ず取り上げられる「すーまぬめぇ」。那覇市国場という旅行者からはちょっとアクセスの悪いエリアに位置します。駐車場の用意もありますが、このあたりの道路は狭く勾配も急だったりと、一見さんに運転はオススメしません。タクシーで向かいましょう。国際通りから1,500円ぐらい。帰りは近くの国道からすぐに拾えます。
我々は待ち時間なくスルっと入店できましたが、退店時は20人近い行列ができており、人気のほどが伺えます。ちなみに印象的な店名は沖縄の方言で「潮間さん家の前」の意味だそうです。店構えの雰囲気は八重瀬町の「屋宜家(やぎや)」に似てるかな。
伝統的な古民家をリノベーションした店舗であり、内席であれば靴を脱いで畳へとあがるちゃぶ台方式。外席では靴を履いたままのテーブル席があります。豊かな緑に赤瓦が良く映え、沖縄に来た感に溢れています。ちなみに店主は陶芸家でもあり、食器類などはご主人のお手製だそうです。
私は人気ナンバーワンの「スペシャルそば」を注文。千円です。ベーシックな沖縄そばに本ソーキ、てびち(豚足)、三枚肉という黄金トリオが肩を並べます。
肉類にはかなりの迫力があり、そのまま酒のツマミにして酒盛りでも始めたいレベルです。分厚く噛み応えのある三枚肉を口に含んだ後、プルプルとしたてびちの食感に舌鼓を打つ。本ソーキの骨付きの部分も見逃せない美味しさ。これぞ沖縄そばの美点である。
麺は中くらいの太さの平打ち麺。やや固めに茹でられておりサクサクとした噛み応えで歯切れが良くテンポ良く食べ進めることができます。スープはカツオ出汁がベースであり、その上に豚や鶏など動物的な旨味が折り重なっているように感じました。
連れは「ゆしどうふそば」を注文。着丼してびっくり、想像を遥かに超える量の豆腐がぶちこまれています。加えて三枚肉も気前よくトッピングされており、体積や質量という意味では「スペシャルそば」よりも食べ応えがあるかもしれません。
沖縄そばのお供として定番の「じゅうしぃ」ですが、キッチリと下味が付いており具材も豊富であり力強い味わいが感じられました。ちょろっと色だけ付けた茶色いメシを出して「じゅうしぃ」だと言い張る観光客向けの店が多い中、当店のそれは表彰状でも贈呈したいほどの美味しさです。
「いなり」もあります。予想外に酸味が強く断面を子細に点検すると、なるほど梅の何かが組み込まれているようです。厚みのある味覚が続いた後にサッパリとした口直し。美味しかった。一般的な観光客は沖縄そばを食べることが目的化することが多く味などは二の次の場合が多いですが、当店は沖縄そばの神髄を極めたとも言うべき正統的な味わいであり、自信をもってお勧めできる作品です。オススメ!
ツイート
関連記事
寒い季節は沖縄で暮らしているので、旅行やゴルフだけで沖縄に来る人よりかは一歩踏み込んでいるつもりです。沖縄の人ってネットに書き込みしないから、内地の人が知らない名店が結構多いです。
- ザ・ひらまつ ホテルズ&リゾーツ 宜野座 ←我が心のベストホテルin沖縄。ハコも食事も素晴らしい。
- まーちぬ家/美栄橋(那覇) ←沖縄料理の決定版。
- とらや/小禄(那覇) ←沖縄そばならココ。空港からも近い。
- 玉那覇ウシ商店(たまなはうししょうてん)/久米(那覇) ←1日限定50食。麺がバリ旨い。
- ゴカルナ(Gokarna)/楚辺(那覇) ←沖縄の隠れた名物「スパイスカレー」の爆心地。
- 金壺食堂(きんつぼしょくどう)/牧志(那覇) ←チマキの概念が変わる店。50個も爆買いして自宅の冷凍庫で保存する達人もいるそう。
- O’s House(オズハウス)/久米(那覇) ←ステーキ文化圏を象徴するお店。地元客多し。
- 鉄板焼 朝日(あさひ)/名護(沖縄) ←北部で肉を食べるならコチラへ。
- Maison de Fujii(メゾン ド フジイ)/松山(那覇) ←このクオリティで1万円を切るだなんて。
- 6 (six、シス) /古宇利島(沖縄) ←世界でもトップクラスに眺望が素晴らしいフランス料理店。味も抜群。