ギリシアの離島のような白壁の内装が印象的。20席近くあるのですが、2人体制のみでの営業であり、受け入れるゲスト数は絞っているように見受けられました。前菜の盛り合わせは予約時に注文する必要があり、また、座席に拠っては靴を脱ぐように促されたりと注文の多い料理店です。
ディナータイムはワンドリンク制なのは構わないのですが、料理の追加注文はNGで、パスタは19時きっかりにならないと調理に着手しないという謎運用。たとえどれだけ客が入っていなかったとしても絶対に19時にならないと絶対に麺を茹で始めないという意味不明なドクトリンがここにはあります。パスタなんて全部同時に調理する方が難しいと思うのだけれど。
前菜の盛り合わせ。ワインのツマミとして最適なものばかりであり、ボリュームもしっかり。なのですが、これ、予約の時点で注文確定させる必要ある?アラミニュイットで調理したとは到底思えないものばかりであり、パスタ19時ルールと併せて不思議な教条の多いお店です。「白いんげん豆のサラダ」は前菜の盛り合わせとほぼ同時に供されました。味そのものは悪くないのですが、手際が良いのか悪いのかよくわからず、ただただ困惑する食体験です。
アヒージョが自慢とのことだったので「真サバ」で注文。アヒージョと言えばエビやマッシュルームで食べることが多いところ、なるほど魚で食べるというのも面白い試みです。
ところでアヒージョにパンは付けるかと問われ、他にも色々と食べたいものがあり腹は膨らませたくないので断ると、「美味しいので絶対に付けたほうが良い」との激しい押し売り。なら最初から付けて込み料金にしとけよ、と、安い挑発をしてしまいそうになりましたが我慢です。
さて、先のアヒージョが供されたのが18:22であり、店内は空いているので流石に臨機応変に調理を開始してくれるだろうと信じていたのですが、パスタが出てきたのは19:09であり、19:00調理着手ルールというのは絶対のようです。また、こちらにおいても「マスカルポーネは絶対に付けたほうが良い」との激しい押し売りがあり、なら最初から付けて込み料金にしとけよ、と、安い挑発をしてしまいそうになりましたが我慢です。
カルボナーラは19:11と、先のパスタの2分後に供されました。あのさあ、もう少しゲストに食事を楽しんでもらおうとかそういう気概は無いわけ?こんなに連チャンでパスタを出されてもベストなタイミングで楽しめるわけないでしょ。ゲストの顔が全く見えていません。
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味そのものは悪くなく価格は控えめではあるものの、アレはダメコレはダメ、コレは絶対にこうせよとゴチャゴチャうるさい店であり、ゲストに素敵な時間を過ごしてもらおうという気持ちは微塵も感じられませんでした。
安くて旨いイタリアンにありつくことができるのであれば如何なる不都合をも受け入れるという覚悟を持って訪れなければならないレストランです。ランチにパスタひと皿だけラーメン的に食べるのであれば悪くないでしょうが、それなら「関谷スパゲティ」のほうが余程使い勝手が良い。自分たちの都合ばかり押し付ける融通が一切きかない半導体メーカーの工場のような店でした。
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