GLOUTON SHURI(グルートン シュリ)/首里(那覇)

おもろまちの大好きなフレンチ「Dining chez TAIRA(シェタイラ)」が2023年9月に首里に「GLOUTON SHURI(グルートン シュリ)」として移転リニューアルオープン。ノボテルの近くでこのあたりちょっと坂が多いので、市街地からタクシーで来るのが良いでしょう。
わおー、これは超カッコイイ内装ですねえ。厨房に面した広々としたカウンター席の向こうには那覇の夜景が輝きます。6人掛けのテーブル席もあって、グループでも楽しむことができるでしょう。
酒の値付けは都内のフレンチと似たり寄ったりで、那覇の値付けの奇跡は見当たらず。それでも一番安いシャンパーニュは1万円を切ります。メインに合わせたグラスの赤は1,600円でした。
アミューズが大豊作。「Dining chez TAIRA(シェタイラ)」時代も初っ端から楽しい店だと感じていましたが、よりその激しさが増したような気がします。スフィアに入ったジーマーミ豆腐のスープや山羊のタルタルなど、沖縄を感じさせる食材も盛りだくさん。
ブリを軽く炙って頂きます。脂がブリブリのメタボ体質でありジュワっとジューシー。素材そのものの味覚が活きる一皿です。
肉を煮たやつ(?雑な説明でスミマセン)をピザ生地で包みカラっと揚げたひと品。ゼラチン質がニチャニチャで食べる愉しみのあるひと品です。何ともコクのある料理であり、シュワっと冷えたシャンパーニュが進む進む。
フキノトウやタケノコなどの春の味覚と白子を共に楽しみます。ベニエにしたフキノトウに程よく苦味が感じられて美味。白子のトロリとした舌ざわりも食欲をそそります。
フォアグラのカプチーノ仕立て。クリーミーでコクのあるスープなのですが、何と底には沖縄の郷土料理「ドゥルワカシー」を揚げた「ドゥル天」が敷かれていました。ドゥルワカシーって音はおもろいけど味は地味だよねというポジションなのですが、当店のそれは香り豊かで別格の味わい。新たな鉱脈を発掘した気分です。
お魚料理はアカマチ。言わずと知れた沖縄の高級魚であり、揚げたゴボウとペースト状にしたゴボウと共に楽しみます。ムッチリとした食感にゴボウの土っぽい風味が襲い掛かり、何ともピヨる美味しさです。
お肉料理は直球勝負でドンズバのビーフがやってきました。ソースもクラシックなものであり、これぞフランス料理のメインディッシュといった味わいです。量も多く、そういえばパンなどは出なかったのですが、それでも満腹に辿り着くボリューム感でした。普通の食欲の女の子は食べ切れないかもしれません。
デザートはちんすこうのアイス。たっぷりのメレンゲを崩しながらコクたっぷりのちんすこう風味を愉しみます。
食後のお茶はコーヒーの他、沖縄名物の「ぶくぶく茶」も選択することができます。これは県外客にとっては嬉しい演出。

以上のコース料理が1.2万円で、そこそこ飲んでお会計はひとりあたり2万円といったところ。東京であれば4-5万円は当たり前のクオリティであり、私の沖縄ベストフレンチの先頭集団に躍り出ました。食後感としては古宇利島の「6 (six、シス)」に似ているのですが、あそこは遠すぎるし運転があって飲めない。それらを加味すると、実は当店が一番なような気もします。オススメ!

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