ロゼット(Restaurant Rosette)/丸の内

「センチュリーコート丸の内」のフランス料理店「ロゼット(Restaurant Rosette)」。国の重要文化財である「明治生命館」の地階に位置します。ところで「センチュリーコート丸の内」ってのは位置づけが良く分からないですね。会員制の社交クラブと見せかけて食べログから誰でもネット予約できます。
店内はクラシックな内装で、バリっとしたテーブルクロスが映えます(写真は食べログ公式ページより)。テーブル席が20席強あり、奥にはシェフズテーブルとして厨房に面したカウンター席がある模様。鏡智行シェフはヨーロッパで長く経験を積み、帰国後にセンチュリーコートの調理部に加わったそうです。
この手のレストランとしては仕方ありませんが、ワインは外資系ホテルのダイニングと同じくらいに割高です。そのくせサービス陣は店の格に比して全く洗練されておらず、ひと昔前の日系ホテルの給仕のようなスタイルです。スタイリッシュな私とは波長が全く合いませんでした。
アミューズはニンジン(だっけ?)のムースにウニ、コンソメのジュレ。王道中の王道の味わいであり、どストレートに美味しいです。
ブリをセビーチェ風に仕立てます。魚のカットが分厚くムシャムシャと食べ応えがあってベリーナイス。付け合わせのクスクスもお洒落な味わいです。
パンが美味しいですねえ。ざっくりとした歯触りに穀物の深みを感じさせる味わいです。ただしオカワリのパンはプレーンなバゲットでした。
フォワグラは酒粕と西京味噌でマリネするという試みで、これが結構、いや、かなり旨い。エディブルフラワーの使い方もきゃわわです。
アワビのムニエル。クニクニとした歯ごたえの厚切りアワビに焦がしバターの風味が良く合う。パワフルで存在感があってバリ旨い。本日一番のお皿でした。
メインは黒毛和牛のフィレ。穏やかな火入れで滑らかな口当たり。肉なのに飲めてしまうような錯覚を覚えます。トリュフのソースも真っ当なフランス料理そのもので、行儀正しい美味しさです。
デザート本番の前に塩アイス。濃厚なミルクの風味にさりげない塩気が食欲を再興させます。
デザートはピスタチオのスフレをチョイス。これがもう、座布団みたいに大きくって、突然どうしたんだと問いかけたくなるボリューム感です。トロトロふわふわ女子ウケする味わいであり、きっと私はこの日、世界で一番スフレを食べた漢であろう。
ハーブティーでフィニッシュ。ごちそうさまでした。以上のコース料理にワインをそこそこ飲んでお会計はひとりあたり3万円ほど。ワインは高めですが、そのぶん料理は大変お値打ちであり、ランチで「水でいいです」族にとっては世界最強の費用対効果を誇るかもしれません。

他方、サービス陣はまだまだで、とても時代遅れに感じました。もうちょっとシュっとスマートでいてくれないと、ハレの日のデートにはちょっと厳しいでしょう。場所柄、社用族の会食向きなのかもしれません。料理はめちゃんこ美味しいだけに色々と勿体なく感じました。

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