台湾のソウルフード「牛肉麺」の名店「老山東牛肉麺 (Lao Shan Dong Noodles Made by Hand)」がビブグルマンを獲得。1949年に創業した台湾きっての老舗であり、1日に700杯も売り上げるそうです。場所は台北の原宿的な街、西門町にある雑居ビル「萬年商業大樓」の地下1階にあります。
平日の正午前に訪れ滑り込みセーフといった具合に座席を確保することができましたが、退店時は行列が生じていました。見る限り地元のゲストばかりであり、英語や日本語は全く通じません。貴方の本質的なコミュニケーション能力が試されるお店です。オーダー表に注文したい料理を書き込み店員に手渡すと注文完了。「小菜」という小鉢的な料理は店内の冷蔵庫からセルフで勝手に持っていきます。
こちらは白菜の酢漬けでしょうか。台湾版ザワークラウトといった味わいであり、円やかな酸味が心地よい。
もやしを茹でて味付けて冷やしたもの。焼肉屋で出てくる豆もやしのような方向性の料理です。
「酸辣湯餃」は所謂「酸辣湯」の麺の代わりに水餃子が入っている料理。字面ほど酸味や辛味が強いというわけでなくマイルドな刺激を楽しむことができます。水餃子以外の具材もたっぷりだ。
水餃子は野菜多めのヘルシースタイル。白眉は生地であり、ツルっとした口当たりにモッチリとした歯ごたえ。ハンドメイドの麺で勝負する料理店が本気を出せば餃子の皮など朝飯前なのかもしれません。
スペシャリテの「牛肉家常麵」。まずはトップの牛肉がバリ旨く、脂はトロトロに溶け肉にジンワリと味が沁み込み、うまうまくんヒヒーンです。これは下手なフランス料理屋の牛肉煮込みよりも余程レベルが高い。スープは牛骨や牛スジからとっているのか滋味深い味わいであり、強い主張は無いものの後を引く美味しさです。
麺も素晴らしいですね。お店に入ってすぐ右手で打っており、幅広厚めで程よく不揃いな食感が堪りません。中華系の麺料理はクタクタで食べ応えが無いことが多いですが、当店の麺は誠にストロングスタイルで、讃岐うどんクラスのコシを楽しむことができます。
とても美味しかった。麺料理はいずれも200元(約千円)程度と、この手の食堂としては高めではありますが、その質および量を考えれば寧ろ割安に感じられる食後感です。
言葉は通じませんが、身振り手振りで何とかなる(我々はもう1品注文しようとしましたが、「それは量が多すぎるから止めておけ」とオバチャンがキャンセルしてくれた)ので、恐れずチャレンジしましょう。オススメです。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。