毎日新聞が「ヒルトン福岡シーホーク(Hilton Fukuoka Sea Hawk)」の売却方針を報じました。そもそも当館はシンガポールの政府系ファンド「GIC」が保有しており、それを何処に売るのか、売った後は引き続きヒルトンが運営するのかどうか等は全くの不明。今後のシーホークの運命や如何に!
さてその「ヒルトン福岡シーホーク(Hilton Fukuoka Sea Hawk)」。「日本の都市景観100選」に選ばれた福岡市シーサイドももち地区に位置する1,000室オーバーを誇る巨艦ホテルであり、真隣にはPayPayドームもあって、福岡のランドマークと呼んでも過言は無いでしょう。公共交通機関からアクセスし辛いのがやや難点。
開放的なロビー。地上36階、地下2階建て、高さ143メートルと圧倒的な仕様であり、設計はアメリカの建築家シーザー・ペリが手掛けました。外観は博多湾に漕ぎ出す巨大な船をモチーフとしているそうです。
お部屋はエグゼクティブフロアに位置する「エグゼクティブキング」にご案内頂きました。なのですが、第一印象は「狭い」です。確かに眺望は見事なのですが、ベッドに透明なデスクにややこしい形のソファがあるだけです。きっと30平米にも満たないのではなかろうか。逆サイドからの風景。大型のテレビはLG社製であり、外資系ホテルとしては珍しい仕様です。電源周りにCタイプはもちろんUSBすら無く、1995年開業という歴史を感じさせてくれます。
ネスプレッソやお茶類、ミネラルウォーターは無料。プレーンなヒルトンには珍しくミニバーとして冷蔵庫に飲食物が詰まっていました。もちろんこれらは有料です。ウェットエリアも伝統的というかなんというか、平たく言うと古いです。加えて洗面所とトイレとバスルームが一体化しており、またバスルームはバスタブの中でカーテンを引いてシャワーを浴びるというビジネスホテル形式です。
共用設備に参ります。こちらはフィットネスセンターですが、1,000室を超える巨体を支えるには心許ないマシン数です。シンガポールのリッツなんて半分の客室数ながらジムエリアは10倍はあるもんなあ。
信じがたいことに、プールの利用は有料で2,200円を要するということでした(写真は公式ウェブサイトより)。例えダイヤモンド会員であったとしても、です。流石にこれにはびっくりしたなあ。私は1年のうちかなりの日数をホテルで過ごすのですが、上級会員に対してプール代を請求するホテルは初めてかもしれません。
一方で、大浴場の利用は1,760円なのですが、こちらは謎に無料チケットを頂けました。全然嬉しくない。大浴場は良くてどうしてプールはダメなんだ。せっかく家から水着とゴーグル、水泳帽に耳栓まで持ってきたというのに(写真は公式ウェブサイトより)。エグゼクティブラウンジは33階で抜群の眺望を誇ります。このあたりは福岡空港があるから高さ制限がつよつよで、結果として見通しが良くなるのだ。
カクテルタイムは17-19時に開催で、利用者数が少ない割に充実のラインナップ。福岡の郷土料理である「酢モツ」まで用意されています。サラダからチーズ、シャルキュトリ、冷前菜に温かい料理に炭水化物と、夕食の代用にもなり得ます。
連泊したので、ある日の朝食は4階のオールデイダイニング「ブラッセリー&ラウンジ シアラ(SEALA)」にお邪魔しました。1,000室を超える朝食を一手に引き受ける朝食会場なだけあって圧巻の客席数。ただし料理のラインナップは一般的なヒルトンといったところで、福岡らしさなどは特に感じられませんでした。詳細は別記事にて。
結論として、良くも悪くもヒルトンらしいヒルトンでした。ここのところ福岡は再開発が進み、リッツカールトンの進出など話題は事欠かないため、歴史ある偉大なヒルトンの反転攻勢が今後どのように進んでいくのかは気になるところ。何だかんだ言って空港からはバリ近く、MICEとして使うには悪くない施設なので、しぶとく生き残りそうな気もします。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。