初台駅から徒歩10分ほど、小さな商店街(?)の並びにある「D'ORO HATSUDAI(ドーロ ハツダイ)」。ちなみに都立大学にも姉妹店があるようですが、現在(2024年1月)は一時休業中のようです。
予想していたよりも客席数が多く、40近くあるでしょうか。2つの個室も含めてほぼ全席を埋めており、人気のほどが伺えます(写真は食べログ公式ページより)。我々はランチの遅い時間に予約を入れていたのですが、14時過ぎから訪れるゲストもおり、ランチからそんなに長い時間営業しちゃってお身体は大丈夫ですかと心配になりました。
ワインのラインナップは親しみやすく、ボトルは5千円台から用意されていたような気がします。それでも流石に住宅街だけあって、ランチからガンガンにワインを飲む族は少ないように見えました。アミューズが面白く、ムース(?)が層になって重なっており、手土産のスイーツのような外観です。トップはカツオ出汁のジュレであり、日本料理のようなニュアンスを感じました。
軍鶏を用いたバロティーヌ。鶏肉そのものの味が濃く存在感のある前菜です。ピスタチオがミッチリと詰め込まれているのが良いですね。
カリフラワーのスープに炙った白子をトッピング。土っぽいカリフラワーの風味にトロリと官能的な舌触りの白子が良く合います。
パスタはタリアテッレ。かなりのコシを感じさせる仕立てであり、麺に噛み応えを求める私としては嬉しい限り。お肉はイノシシでパワフルな味わいです。この時われわれはボトルで泡を飲んでいたのですが、赤ワインと合わせても良かったかもしれません。
リゾットにはイタリア米であるカルナローリを用いており、そのタフさからたっぷりと食材のエキスを吸っています。具材はタコとフキノトウであり、独特の塩気と旨味、青い香りが見逃せない美味しさです。
メインは山形豚。断面はキレイなサーモンピンクに仕上がっており、一方で、表面は香ばしく焼き上げられています。密度の高い肉質であり、肉そのものの旨味を楽しむひと皿でした。
デザートはブランマンジェに塩ミルクアイスクリーム。トロトロと滑らかな舌触りのブランマンジェに思い切りよく塩気をきかせた塩ミルクがベストマッチ。バケツいっぱいレンゲで食べたい美味しさです。
小菓子とハーブティーでフィニッシュ。ごちそうさまでした。
以上のコース料理が6,600円で、そこそこ飲んでお会計はひとりあたり1万円強といったところ。これだけの質および量でこの支払金額は実に良心的であり、平日であれば千円台のパスタランチの用意もあるとのこと。個人的にはタリアテッレがすごくすごい好きだったので、次回はバーンとパスタを山盛りで食べてみたいと思います。
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イタリア20州の地方料理を、その背景と共に解説したマニアックな本。日本におけるイタリア風料理本とは一線を画す本気度。各州の気候や風土、食文化、伝統料理、特産物にまで言及しているのが素晴らしい。イタリア料理好きであれば一家に一冊、辞書的にどうぞ。