TSMCのお膝元、台湾は新竹市を訪れた話

台湾のシリコンバレーたる新竹市にやって来ました。新竹には世界最大の半導体受託製造企業であるTSMCを始めとして半導体関連企業がひしめき合っており、デジタルという意味では世界でもトップクラスに重要な街と言えるでしょう。

他方、台北から新幹線で30分という好立地であるものの観光地としては今ひとつであり(愛知県豊田市みたいな感じ)、観光に係る情報が極めて少ないのが残念。せっかく縁あって訪れたのだから、私が気づいた範囲で感想を残しておきたいと思います。


■到着時に5,000ニュー台湾ドルが貰えるキャンペーン
https://5000.taiwan.net.tw/index_jp.html
ところでTSMCと全く関係の無いお得情報の共有なのですが、台湾観光局(?)の主催で当面の間、個人旅行者は到着時に5,000ニュー台湾ドルがチャージされたICカードが当たってその場で貰えるキャンペーンが開催されています。事前登録制であり、抽選してる人を見ていると結構な頻度で当たりが出ていたので、台湾旅行の景気づけに是非どうぞ。


■桃園空港から新竹へはUBERが便利
さて、桃園空港から新竹の街へはUBERで40分の7千円程度でした。公共交通機関だけでも行けなくも無いのですが、乗り換えは多く新幹線の本数が限られるので、複数人数でワリカンであれば車でホテルまで直行したほうが精神的に割安かもしれません。


■EPISODE HSINCHU JdV by Hyatt(新竹伊普索酒店、エピソード新竹)
https://www.takemachelin.com/2024/01/episode.html
私はハイアットのグローバリスト(最上級会員)様であるため、せっかくなのでハイアット系列のホテルに宿を取りました。しかしながらスタッフは全く気がきかず全てはマニュアル通りであり、部屋の設備もちょっと豪華なアパホテルといった程度です。もちろんこの辺りにレベルの高いホテルが少ないことは百も承知ですが、同価格帯であれば「ハイアット プレイス 新北市新荘(Hyatt Place New Taipei City Xinzhuang、新北新荘凱悦嘉軒酒店)」のほうが余程良かったなあというお気持ちです。


■台積創新館(TSMC Museum of Innovation)
TSMCの本社(?このあたりTSMCだらけで何が何だかわからない)にある事前予約制のミュージアム。半導体の歴史からTSMCの歴史、創業者である張忠謀(Morris Chang)の生い立ちなどが事細かに記され、展示されています。現代のデジタルの巨人たちのコメントが動画でズラリと並ぶのが圧巻。
支社一覧に熊本県の建設中の工場も載っており胸熱。ちなみに熊本には本プロジェクトに関連して、近々数百人単位で台湾人が移住することが決まっています。それに合わせて新興のスターラックス航空が桃園ー熊本路線を就航させるなど話題は尽きません。
それにしても張忠謀(Morris Chang)はカッコイイ。国共内戦のドタバタを掻い潜りハーバードへ留学、MITで修士を取ったのちテキサス・インスツルメンツでバリバリに出世しつつスタンフォードで博士号を取得しています。肩書にきちんと「Dr.」が付くのが良いですな。アプリで一発当てた成金社長たちとは風格が異なる。そういうものに わたしは なりたい。 


■新竹科學園區探索館
ちなみに、同じ新竹サイエンスパークにある「新竹科學園區探索館」は全く激ショボですねえ。TSMCとの気合いの入れ方が全く異なる。「烏合の衆」という表現がピッタリの博物館でした。時間の限られる旅行者は後回しで良いでしょう。


■主な観光スポット
新竹において最もメジャーな観光地は「新竹都城隍廟」で、これは東京で言う浅草みたいなところですね。お寺(?)の周りに飲食店がひしめき合っており、皆、食べ歩きを楽しんでいます。その他、「東門」や「新竹駅」は歴史的価値はあるのかもしれませんが、私はあまりピンと来ませんでした。
市民の憩いの場である「新竹公園」は結構好き。陸上競技場のトラックをお散歩できるのが個人的にツボ。動物園や昆虫館もあり、また「新竹市玻璃工藝博物館」は「富山市ガラス美術館」を訪れたことがある方であれば胸熱かもしれません。
さて、細かな観光地の紹介は地球の歩き方に譲るとして、ここからは私がお邪魔した飲食店をご紹介。ミシュランに載るような、いわゆるファイン・ダイニングには一度も訪れておらず、予約不要の気楽なお店ばかりです。

■許二姊(鴨肉許)
イートイン・テイクアウト共に大人気の食堂であり、台北の人がわざわざ新幹線に乗って食べに来るほどの「許二姊(鴨肉許)」。観光名所である「新竹都城隍廟」から歩いて数分であり、観光客にとっても有難い立地です。

さんざん食べてひとりあたり千円程度と信じがたい費用対効果。とりわけ燻製肉の美味しさは初見殺し。半導体関連の出張で新竹を訪れた際は必ず訪れましょう。必ずです。


■阿城號米粉
https://tabelog.com/taiwan/A5409/A540901/54000677/
新竹随一の観光スポットである「新竹都城隍廟」内にある「阿城號米粉」。いわゆるフードコートの店舗のような存在ではありますが、100年以上の歴史がある老舗のビーフン専門店です。正直な話、ペ〇ングすなわちペアングの方が美味しいですが、なんせビーフンが1皿200円かそこらなので、多くを求めてはなりません。

ところでグーグルマップに「店員が不親切」などの口コミが散見されますが、我々の場合、日本人だとわかるやいなや、日本語メニューを持って来てくれ身振り手振りで説明してもらえ、何なら席まで料理を持って来てくれました。ビビらずどうぞ。


■西大發 城隍包
「新竹都城隍廟」の広場を挟んで向かいにある「西大發 城隍包」。場面で行列する人気の包子(パオズ)屋さんです。肉まんなどオカズ系が人気なのは当然として、ここ数年で耳目を集めたのは「爆漿珍珠奶茶包(タピオカミルクティーまん)」。味は今あなたが想像している通りですが、150円かそこらという価格設定なので、コンビニまんと考えれば悪くないディールです。話のタネにどうぞ。


■或者工藝櫥窗(OR Craft Life)
https://tabelog.com/taiwan/A5409/A540901/54005891/
新竹の東門市場近くにあるカフェ。1-3階は茶器などの工芸品が販売されており、4階が当店でそれらの茶器を用いて台湾茶やコーヒーを出してくれます。

常に空いており、というか1-3階の物販もガラガラで、果たして当館は商売として成り立っているのでしょうか。飲み物1杯が千円近くとお高めですが、居心地の良さを考えれば妥当な価格設定でしょう。新竹散策の一休みにどうぞ。


■WESTWOOD(現代美式餐庁)
ミシュラン1ツ星を獲得した林泉(Richie Lin)シェフが監修するレストラン。我々はホテルに宿泊したので朝食として利用しました。「Semi-Buffet」との案内だったのですが、その内容はスーパーホテルよりもお粗末。空間ばかりスタイリッシュでこの料理の少なさは、朝から惨めな気分になります。ぴえんこえてぱおん。


■南北餃子館(南北水餃)
新竹には日本語のグルメ情報が少なく、グーグルマップとインスタで何とか探り当てた人気のお店。餃子の専門店で、すぐ隣のテーブルで店のオバチャンが手で包んでいる最中で臨場感は抜群。皮は厚めでニラがたっぷり。しっかり食べてひとり千円程度。同時期に香港で餃子と麺を食べて2千円近くしたことを考えると、為替や物価って何だろう私は何も変わっていないと言うのに、と、色々考え込んでしまったディナーでした。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。