長崎随一の繁華街、思案橋にある「ツル茶ん」。1925年(大正14年)に創業した老舗の喫茶店であり、2025年(令和7年)には創業100周年を迎えます。
店内はいわゆる大正レトロといった内装ですが、壁一面に映画のポスターや有名人のサイン色紙などが貼られているため、観光地真っ盛りといった様相を呈しています。2階もあって、トータルでは70-80席はあろうかというほどの大箱です。
スペシャリテの「トルコライス」を注文。長崎のご当地グルメであり、多くの喫茶店や定食屋にも置かれています。由来は明治時代に長崎に移住したトルコ人商人がバターライスとスパゲッティ、トンカツを盛り付けたのが始まりとされています。
トンカツの部。肉は薄く叩いてのばしたようなニュアンスがあり、沖縄のスタイルに似ています。傷んだ油でディープフライしたような味わいであり胸につかえる味わいです。ソースはカレーでしょうか。欧風の濃厚な味わいで、こちらは普通に美味しかった。
スパゲティ・ナポリタンでしょうか。ソースはケチャップを水で溶いただけのような味わいで奥行きが無く、一方で妙な酸味を強く感じました。茹ですぎてグネグネとした食感も悪い意味で印象的です。
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こちらはバターライスでしょうか?それともピラフ?いずれにせよベタベタとした舌ざわりで脂っぽく、そのくせ風味には乏しい。コンビニのチャーハンのほうが美味しいかもしれません。
サラダは一般的な定食屋で提供されるオマケのキャベツといったような味わいであり、一般的な定食屋で提供されるオマケのキャベツのような味がしました。もうひとつの名物の「ミルクセーキ」。一般的なミルクセーキは牛乳やアイスクリーム、砂糖、卵などをブレンドした乳飲料ですが、当店のそれは明らかに固形であり、飲むというよりも食べるという動詞が似合うひと品です。練乳のような甘味が強く、(実在するかどうかはしりませんが)スタバの練乳クリームフラペチーノのような味覚です。
以上のトルコライスが1,580円で、ミルクセーキのハーフサイズが420円。「名物に旨いものなし」という格言がピッタリの食事でしたが、長崎の喫茶店の歴史を楽しむための食事付き観光スポットと捉えれば悪くないかもしれません。あくまで観光地としてどうぞ。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。