ホテル虎ノ門ヒルズ(Hotel Toranomon Hills)

2023年12月6日に開業した「ホテル虎ノ門ヒルズ(Hotel Toranomon Hills)」。「アンバウンド コレクション by Hyatt」という新しいブランドでの運営であり、日本においては「富士スピードウェイホテル(Fuji Speedway Hotel)」に続いて2店目です。
全205室とそれほど大きくないホテルだからかレセプションも大きくありません。上級会員向けのファストレーンなども特に無く、至って簡素です。
お部屋はシティビュー キングへご案内頂きました。第一印象は「狭い」であり、広々とした部屋が多いハイアットとしては珍しい業態かもしれません。ちなみに当館のインテリアデザインは、デンマークのデザイナーユニット「スペース・コペンハーゲン(Space Copenhagen)」が担当しているそうです。
全体としてシンプルで機能的な印象。クローゼットも剥き出し方式で、「ハイアット プレイス 京都 (Hyatt Place Kyoto)」に雰囲気が似ています。それでも宿泊料金は2-3倍にも及ぶのだから、東京の地価恐るべしといったところでしょう。
窓からの眺望。客室は「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」の11階から14階に位置しており、それほど高さがあるというわけではありません。お隣の「アンダーズ 東京 (Andaz Tokyo)」のような大パノラマは期待できないのでご注意を。
回線速度は下りで50Mbpsほどあり、スマホからテレビにキャストすることができます。お部屋は狭いもののPC作業をするには充分なデスクも誂えられています。ちなみに直射日光を浴びると何かの温度が上がり、壁面からミシミシと音が鳴り始めるので落ち着きません。気になる方は日当たりの悪い部屋を敢えて指定したほうが良いかもしれません。
トイレとシャワールームが一体化しており、バスタブはありません。バスアメニティはディスペンサー方式で、「NEMOHAMO」というオーガニックブランドを起用しています。ひとりがシャワーを浴びている間はお手洗いに行けないのは少し不便です。
洗面所や化粧台はお部屋に剥き出しで設置されています。部屋に入ってすぐ手を洗えるのでコロナ向き。また、飲料用の浄水器がデフォで設置されているのは嬉しい。
ミニバーには最近のホテルとしては珍しく酒やらスナックやらがたっぷり詰まっています。コーヒーはネスプレッソで、紅茶はイギリスの高級紅茶ブランド「JINGTEA」が用意されていました。キャセイのファーストクラスラウンジに置かれていたアレです。
共用設備に参ります。覚悟していた通りフィットネスセンターも実に簡素。この辺りは歩道が整備されているので、お外を走ったほうが気持ち良いでしょう。
当館を特徴付ける設備が「The Lounge(ザ・ラウンジ)」。上級会員向けのエグゼクティブラウンジではなく、宿泊者全員が利用できるラウンジです。空港の航空会社のラウンジそっくりの仕様であり、チェックイン前後に利用でき便利。
写真のロッカーの他、シャワールームや仮眠室まで用意されており、ほら、空港のラウンジみたいでしょう。早朝到着もしくは深夜出発する旅行者大歓喜のサービスです。
なお、ソフトドリンクはセルフサービスで自由に楽しむことができますが、アルコールの用意はなく、また、カクテルタイムなどのサービスもありません。とはいえ酒やツマミを置かなければラウンジ乞食たちが沸いて出て来ず客層が維持されるので、これはこれでありよりのありかもしれません。
朝食は1階のダイニング「ル・プリスティン東京 カフェ&バー(Le Pristine Tokyo)」へ。長年ミシュランの星に輝くオランダ出身のシェフ、セルジオ・ハーマン(Sergio Herman)が手掛けており、とても満足しました。当館で朝食を摂ると摂らないでは印象がまるで異なるでしょうから、宿泊の際は朝食付きプランで予約しましょう。必ずです。
総括として、あくまで出張者向けのホテルだなと感じました。プールやスパなど心ときめく施設は無く、スタッフとの接点も無いに等しいのでホテルとしての印象に乏しい。「ハイアットセントリック 銀座 東京(HYATT CENTRIC GINZA TOKYO)」と同じく旅慣れた旅行者や出張者が寝に帰るだけの高級ビジネスホテルであり、何かの記念日に奮発して泊まる、というベクトルではないのでご注意を。誰が悪いとかそういう話ではなく、そういうコンセプトのホテルなのだ。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。