新橋と虎ノ門を結ぶ新虎通りから路地を入ったところにある「ナンディニ 虎ノ門店 (NANDHINI)」。1号店は清澄白河にあり、当店は2018年の開業。食べログでは百名店に選出されています。特に下調べはしておらず、近所を散歩していた際にインド人風のにいちゃんたちが軒先で溜まっていたのを見かけ、これは間違いのないお店だと直感し、雑に入店しました。
これが大正解。我々以外のゲストは全員が外国人であり、8割がインド人で2割が欧米系駐在員といった構成。もちろんスタッフは全員がインド人。もはや日本人である我々が外国人といった状況です。テラス席を含めれば中々の席数であり、予約などは特に不要。子連れはもちろんベビーカーもペットもOKです。
店名を冠した9,500円の2人向けディナーセットメニューがあったのでそちらを注文していたのですが、何とドリンクが1杯づつ付くとのこと。良心的かよ。せっかくなのでインドのビールを飲み比べます。
ちなみに料理人は8人体制で、皆、南インド時代の少年期からずっと料理の腕を競い合ってきたズっ友らしいです。
お通しにマサラパパド。塩気の強いインド風おせんべいにスパイスを組み込んだ玉ねぎやハーブを散りばめます。これが、旨い。瞬発的に発汗するほどの辛味があり、また、生地そのものの塩気が強く、酒が進むひと品です。
おや、サラダだ、と思いきや、実際はホウレン草をバター(?)で炒めた温かい料理であり、緑黄色パワー全開の深みのある野菜たちでした。ゴビ65。カリフラワーを揚げてスパイスを和えたものでしょうか。単に辛いだけでなく、ショウガやニンニクの風味も活きており、重層的な味わいです。ちなみに末尾に「65」が付く料理は南インドには他にも色々あるようです。
ドーサがやってきました。これで1人前であり、この抱き枕みたいなクレープが2人前で2本やってきます。「南インドキッチン 虎ノ門ヒルズ店」で食べたジャガイモ入りのそれと違って、乳脂肪の風味が活きたプレーンなタイプでした。そのまま食べても美味しいし、タレやら何やら色々付いて来るので、それをディップして楽しむのも乙な味。
「エビフライ」とご案内頂きましたが、インド風のエビチリのような仕様であり、スパイスがバリバリにきいています。申し訳程度にココナッツの風味も感じられますが、とにかく積極的に辛く私の内臓もヒートアップ。「パリップ・ワダ」は豆をペースト状にして揚げたスナック。優しい味わいなのですが、どことなくスパイスも感じられ、ビール片手に無限に食べることができそうです。
カレーに入ります。こちらはキーマカレーで、トマトと玉ねぎがベースとなっており、見た目からは想像できないほど酸味が強くオシャレな味わいです。
こちらはフィッシュカレー。語感と色合いからマイルドな味わいを期待するのですが、こちらは逆に想像以上に辛く、身体中の毛穴という毛穴から汗が噴き出てきます。
こちらはフィッシュカレー。語感と色合いからマイルドな味わいを期待するのですが、こちらは逆に想像以上に辛く、身体中の毛穴という毛穴から汗が噴き出てきます。
お供にポロッタかナンを選択することができます。ポロッタとはインド風デニッシュで、ギー(発酵バターを精製して作られる乳脂肪中の乳脂肪)をたっぷりと含んでいてリッチな味わい。先のカレーと共に味わって、甘辛くリッチな味覚への変遷を楽しみます。
〆はチキンビリヤニ。由緒正しきバスマティライスを用いており、米そのものの香りが豊か。コースが全体として相当なボリュームであるものの、軽いタッチの口当たりであるので、不思議とサクサク食べ進めることがきました。ライタ(インド風ヨーグルトサラダ)とサンバル(豆や野菜がたっぷり入ったスープ)も付きます。先のビリヤニに混ぜ混ぜして味変。なんて彩り豊かな食体験なんだろう。
デザートは、、、これは何だろう。フランス料理で言うところのリオレ(ライスプディング)に近い味覚であり、この細長いのは麺なのかな。不思議とスパイスのニュアンスも感じられ、まだまだ知らない食べ物が世の中には沢山あります。
すっかり満腹。以上のコース料理を食べて酒もついて5千円を切るのは港区南インド界隈の奇跡と言って良いでしょう。
加えて衛生観念が徹底されているのが印象的で、スタッフは皆マスク着用で、下膳後のテーブル拭きが徹底しているのはもちろんのこと、メニュー表の一枚一枚に至るまで丁寧にアルコールで拭きあげている姿に心をうたれました。食べきれなかった分は持ち帰りOKで、これとこれは日持ちする、これは〇時間以内に食べろと厳密なアドバイスも頂けます。
次回は是非ともアラカルトで注文し、持ち帰り前提で盛大に注文した上で翌日も自宅での南インドパーティーを継続したいと思います。
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