長崎ちゃんぽんの人気店「共楽園(きょうらくえん)」。眼鏡橋近くにも姉妹店があり、どちらが先に開業したのかは諸説ありますがいずれも創業60-70年の老舗です。私は「ヒルトン長崎(Hilton Nagasaki)」に滞在していたので、そこから歩いて15分ほどの稲佐の店舗にお邪魔しました。
ネット上の口コミでは「入店するまでに数十分待ち、着席してから更に1時間近く待つ」と記されていたので時間に余裕を持って訪れたのですが、ゲストは数人しか居らず拍子抜け。それでも注文時に「お時間頂きますよ」とお断りを入れられます。望むところだ。マジで30分待ちました。こんなにガラガラなのに何故。耳をすませば常に厨房内で誰かが誰かを一方的に叱り続けており、「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和2年厚生労働省告示第5号)【令和2年6月1日適用】 」に思いきり抵触しているように感じました。そんな気分の中で食べる春巻の味など中くらいである。
自家製の「角煮饅頭」においても、引き続き怒号が飛び交っており、そんなに怒鳴る余裕があるなら口ではなく手を動かせば良いのに、という味がします。
注文から40分待って「上ちゃんぽん」が着丼。一般的なちゃんぽんに比べると色合いがグレーがかっており、豚骨ではなく鶏ガラ主体のスープのようです。厨房内の瞋恚に比べると味わいは穏やかで綺麗な味わい。個人的には「四海樓(しかいろう)」のような豚骨主体のドロりとしたスープのほうが好きかもしれません。
具材はキャベツに玉ねぎにエビ、イカ、アサリ(?)、すり身の団子といった魚介類にキクラゲや豚肉も入っています。とはいえ期待していたほどのボリューム感はなく、リンガーハットの野菜マシなどで食べるほうが迫力を感じられるかもしれません。ちなみに徒歩5分の所にリンガーハットがありました。
麺が美味しくないですねえ。太目の扁平で見た目は旨そうなのですが、歯ざわりがグダグダで食感は無いに等しい。ラーメン二郎をもう10分茹でるとこんな感じになりそうです。待った割には期待外れな味わいでした。空いている状態なのだから、週末のランチタイムなどは推して知るべし。観光客にとってのアクセスも微妙なので、ちょっとアレだなと思います。以上を理解して上でどうしてもという奇特な方は、眼鏡橋近くの姉妹店を利用するほうがアクセスは便利かもしれません。
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それほど中華料理に詳しくありません。ある一定レベルを超えると味のレベルが頭打ちになって、差別化要因が高級食材ぐらいしか残らないような気がしているんです。そんな私が「おっ」と思った印象深いお店が下記の通り。
- チャイナハウス龍口酒家(ロンコウチュウチャ)/幡ケ谷 ←東京の10,000円以下の中華だとダントツ好き
- 中華銘菜?陽(センヨウ)/東高円寺 ←率直に美味しくアラカルト可なのが嬉しい
- サエキ飯店/目黒 ←切れ味抜群
- ShinoiS(シノワ)/白金台 ←めちゃ美味しいんだけれど高いんだよなあ
- 4000 Chinese Restaurant/西麻布 ←王道中の王道の中華料理ですげえ旨い
- センス(Sense)/日本橋 ←あれだけ香港に通い詰めた結果、日本の飲茶が一番とは実に複雑な心境
- 南方中華料理 南三(みなみ)/四ツ谷 ←素晴らしい、何も言うことは無い
- 蓮香(レンシャン)/白金高輪 ←日本人が一般に想像する中華料理のイメージを打破する多彩な魅力
- 中華バル 池湖(いけこ)/渋谷 ←度を越した費用対効果
- 飄香/麻布十番 ←十番のランチではトップクラス
- 紫玉蘭/麻布十番 ←税込800円は神のなせる業
- VELROSIER (ベルロオジエ)/河原町(京都) ←フランス料理みたい
- 開化亭(かいかてい)/岐阜駅 ←過剰なものは何も無く、足りないものも何も無い
- Mott 32(卅二公館)/中環(香港) ←この中華料理はちょっと東京には無い
- Lung King Heen(龍景軒)/中環(香港) ←総合力という意味では香港における飲茶で私的ナンバーワン
本場志向で日本人の味覚に忖度しない中華料理が食べたいかた必読の書。東京の、中国人が中国人を相手にしている飲食店ばかりが取り上げられています。客に日本人は殆どいないのですが、コロナ禍で海外に行けない今、ある意味では海外旅行と同じ体験ができる裏技が盛りだくさん。