2023年ベストホテル&レストラン

本年もご愛読ありがとうございました。毎年恒例、年末の総仕上げとして、ベストホテルとベストレストランを3つづつ挙げることとしましょう。

【ホテル第3位】
旧軽井沢KIKYOキュリオ・コレクションbyヒルトン(Kyukaruizawa Kikyo, Curio Collection by Hilton)
東急不動産が「旧軽井沢ホテル」を取得し、ヒルトンとタッグを組んでリブランドオープンしたスモールラグジュアリーホテル。ハコやサービスはもちろんのこと、客層の良さも重要なポイントで、いわゆる軽井沢界隈の方々が軽井沢の空気感を好む理由が少しだけわかった気がします。

ウェディングの誘致も活発なようなので(写真は公式ウェブサイトより)、誰かここで結婚してくれませんか?ぼく必ず列席します。呼ばれなくても日付を合わせて一般客として泊まりに行きます。


【ホテル第2位】
Andaz Bali(アンダーズ バリ)/サヌール
コロナ真っ盛りの2021年にひっそりとオープンした「Andaz Bali(アンダーズ バリ)」。インドネシア初のアンダーズブランドでの開業ですが、それはそれはもう素晴らしい滞在でした。私はハイアットの最上級会員であり、それなりの多くの種類の系列ホテルを泊まり歩いてきたつもりですが、その中でも当リゾートはトップクラスの満足度を誇ります。次回バリに訪れた際にも再びお邪魔したいなと思わせてくれるリゾートでした。


【ホテル第1位】
富士スピードウェイホテル(Fuji Speedway Hotel)/御殿場(静岡)
トヨタの肝入りで開業した「富士スピードウェイホテル」。ムッシュ豊田章男が幼少時に富士スピードウェイで日本グランプリを観戦し、帰りに箱根あたりのホテルに泊まって超楽しかった原体験から始まったプロジェクトです。運営はみんな大好きハイアット(写真は公式ウェブサイトより)。

「富士モータースポーツミュージアム」も併設されており、富士スピードウェイ構内に無料で入場することにできる。屋上ではタミヤのRCカーが楽しめたり、自前の車で富士スピードウェイの体験走行に参加できたりと、とにかく車好きの夢が詰まったホテルでした。


【レストラン第3位】
caillou(カイユ)/西小山
鮨屋のようにその日の食材がショーケースに並んでおり、シェフと相談しながら食べたいものを食べたいだけ注文します。フランス料理大好きマンとグループで訪れ、ああでもないこうでもないとワイワイ注文しながらお腹いっぱい楽しみましょう。個室もあれば子連れもOKと地元密着感が強く、10年後も20年後も地域住民に愛され続けること間違いなし。


【レストラン第2位】
海老亭別館(えびていべっかん)/富山市
2ツ星を得たのち再修業と店舗移転を兼ねて一旦休業し、4年半の充電期間を経てリニューアルオープン。以前は150席の大店でしたが、現在はカウンター6席に個室が2つのみの小規模店となり、ゲストに真っ直ぐに向かおうという気迫が感じられます。

地元の上質な食材をたっぷり用いた料理にモブキャラはひとつもなく、これだけの多皿でハズレなしとは見事なセンスです。


【レストラン第1位】
リストランテ ナカモト (ristorante nakamoto)/木津(京都)

https://www.takemachelin.com/2023/09/nakamoto.html
当店はもう素晴らしいとしか言いようがありません(写真は食べログ公式ページより)。野菜を多用したイタリア料理としては京都、いや世界屈指の美味しさと言えるでしょう。ペアリングのセンスも量も素晴らしく、酒飲み歓喜のシステム。「ヴィラ・アイーダ(Villa AiDA)」にせよ「ヴィラ・デラ・パーチェ(VILLA DELLA PACE)」にせよ、地方の一軒家イタリアン最強説が濃厚になったランチでした。


それでは来年も変わらずお付き合いして頂ければ幸いです。それではみなさん酔いお年をお迎えください。Bon appétit !


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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。

2023年レストラン備忘録

毎年恒例、個別記事にすることなくお蔵入りとなったお店につき、一挙掲載。

■209スタンド/渋谷
https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13248532/
渋谷は道玄坂にあるナチュールワイン専門のレストラン。品揃えは確かに良いのですが、値付けは高く感じました。また料理についても所どころ冷凍焼けしており、美味しくありません。ナチュールワインが好きな方が、ナチュールワインだけを楽しむべきお店なのかもしれません。なお、ボトルワインが残っていたとしても閉店時間になれば追い出しにかかるのでご注意を。


■壌(ジョウ)/西麻布
西麻布の交差点からすぐの場所にある立ち飲みバー。「ワインのばか」の麓あたりにあります。最近では珍しく完全喫煙OKの店であり、結果として喫煙者しか集まりません。それでもテラス席(ただの路上)で飲むこともできるので、嫌煙家でもギリ大丈夫です。ビールやワインは千円を切り、このあたりの飲み屋としては良心的。チャージ類も不要。もうちょっと飲みたいなという場面でフラっと立ち寄りましょう。


■中華 ふるめん 西麻布クロスロード店
西麻布の交差点から広尾方面に少し歩いたところにある中華料理店。明け方まで開いているのが自慢であり、しっかり飲み食いしてもいいし、ラーメン1杯だけ食べるのもOK。私は飲みの帰りに「濃厚担々めん」を注文。スープは良いのですが麺はとても普通。スープの量が少ないので、天下一品的な食後感があります。スープ増しってできるんかな。いずれにせよ、深夜にこのクオリティのラーメンにありつけるのは便利です。


■オーク ドア バー(The Oak Door Bar)/六本木
グランドハイアット内のステーキハウス「オーク ドア(The Oak Door)」併設のバー。ゲストもスタッフも過半数は外国人であり、六本木界隈の赴任者が集結しています。さすがに値付けは高いですが、海外旅行に来たと思えばこんなものかもしれません。スタッフのレベルはまちまちなので、きちんと見極めた上で担当してもらいましょう。


■アジアンケバブ(Asian Kebab)/白金高輪
古川橋のややこしい交差点の正面にある、妙に目立つケバブ屋さん。当店の他、都心にいくつかの支店もあるようで、ちょっとしたケバブチェーンかもしれません。イートインであっても使い捨て容器での提供であり、ドーンと白米を盛り付け、肉とキャベツをグシャっと乗っけるだけの豪快な食べ物です。ロマンもへったくれもありませんが、700円という価格設定は悪くない。雑にスパイシーな肉を食べたい際にどうぞ。


■BAGEL STANDARD (ベーグル スタンダード)/目黒
https://tabelog.com/tokyo/A1316/A131601/13268038/
中目黒の人気店が隣町の目黒へ移転。山手通り沿いのテイクアウト専門店でありよく行列しているのですが、この日はたまたま待ち人おらずだったので、試しに買って公園で食べました。写真のベーグルサンドは500円チョイなのですが、ってえ?ハーフカットで500円以上もするの!?
つまり写真のフルサイズで1,150円もしました。コーヒーも頼めば1,500円を超える勢いです。小洒落たカフェで空間を楽しみながらこの価格設定であればアリですが、テイクアウトでこれはない。そこそこ美味しくはありますが高過ぎです。高杉晋作と行きましょう。


■たいやき ひいらぎ/恵比寿
恵比寿の郷土料理と言えば「たいやき ひいらぎ」。食べログでは百名店に選出。駅から歩いて7-8分のタコ公園すぐそばです。自慢はアンコがギッチギチに詰まったたいやき。30分かけて焼き上げるそれは、たいやき界隈の王者とも言うべき味わい。それでいて200円という驚愕の価格設定。100個買っても2万円!夏にはソフトクリーム頭から飛び込んだたいやきも販売され、恵比寿に遊びに来た方は必食のスイーツです。


■ル・グルニエ・ア・パン アトレ恵比寿店 (Le Grenier a Pain)
恵比寿西館4F渡り廊下入ってすぐのところにある「ル・グルニエ・ア・パン(Le Grenier a Pain)」。都内に数店舗展開しており、パリで開催されたコンクールで優勝したこともあるそうです。店頭には旨そうなサンドイッチがズラり。食べログでは百名店に選出されています。
イートインスペースもありますがこの日は持ち帰りで頂きました。パンそのものの美味しさは当然として、具材がビストロの前菜そのまんまであり、酒が欲しくなる旨さです。サンドイッチひとつが5-8百円もするのでたじろぎますが、食べて納得、これは完全にフランス料理である。流行のちょづいたベーグル屋とはダンチの食後感。オススメです。


■クラフトビアバル IBREW 恵比寿駅前店
恵比寿駅前すぐの雑居ビル地下2階にあるクラフトビアバー。クラフトビールは1パイント千円超えが当たり前と認識していたのですが、当店は700円かそこらで楽しむことができます。日本のものを中心に50種近く取り揃えられており、事前に予約をすれば飲み放題プランもある。かなり使えるお店です。


■会心の一撃/恵比寿
恵比寿ガーデンプレイスの目立たないエリアにひっそりと構えるスナック。何故こんなところにスナックが。地権者案件なのかなあ。色んな事情を抱えるゲストが多いため店内は撮影は絶対禁止。入場料が4,500円で、あとは焼酎ボトルが6千円~で長っ尻しても意外に安くつきます。ただし常連客が店エースを競う風潮もあるので、やはりナイト系のお店であることは間違いありません。


■東京サワーリウム/武蔵小山
銀座に「レ ブラ (LES BRAS) 」という高級フランス料理店がって、そのオーナーがひっそりと営む気軽な飲み屋が武蔵小山にあります。どうかするとグラスワインは500円だったりする。大人の夜のスタバとしてどうぞ。


■三丁目バール/武蔵小山
武蔵小山駅から歩いてすぐの場所にある謎の洋館。営業時間は限定的でミステリアスな存在。おそるおそる入店してみると思いのほか良心的な価格設定、いや、安すぎです。奥の個室も空いていれば使わせてくれ、何とも居心地の良い2次会でした。


■カスタムサラダベジー (custom salad Veggie)/品川
アトレ品川(改札外のほうね)のクイーンズ伊勢丹が入っているフロアの脇にあるフードコートにあるお店。「身体に優しく、お腹いっぱいになれるボリューム満点のカスタムサラダ専門店」がコンセプトですが、それほどカスタム感は無く主菜と副菜を選ぶ程度です。それでも千円を切る価格設定でこれだけ野菜を摂れるのは嬉しい。新幹線でヘンテコな駅弁食べるぐらいなら断然コッチです。


■鉄板王国/田町
田町駅から海に向かって7-8分歩いたところになるハンバーグ・ステーキ専門店「鉄板王国」。鉄板ジュウジュウのハンバーグやステーキ類が千円台で楽しむことができます。スープやライスはお代わりOKで必ず満腹。男性客多し。マクドナルドでしっかり食べて千円近くすることを考えればリーズナブルと言えるでしょう。


■フランクミュラー・パティスリー GINZA SIX(FRANCK MULLER PÂTISSERIE)/銀座
スイスの時計メーカーが手掛けるスイーツ。ここまでの異業種参入は珍しいですが、和三盆きな粉をたっぷり使ったサブレはもっと珍しい。バター香るリッチなサブレに上質な和三盆きな粉がこれでもかと用いられており、圧巻としか言いようがありません。次回は1粒1,728円のマロングラッセを試してみよう。フランクミュラー柄(?)のショッパーも超イケてる。


■ワインの酒場。ディプント(Di Punto)/飯田橋
飯田橋エリアで食事後に軽く飲もうと訪れたワインバー(?)。遅くに入店できたのは良いのですが、ラストオーダーだの閉店何分前だの最初から追い出す気マンマンで、それなら最初から受け入れなきゃいいのに。謎にお通し代も取られたし、ワインも微妙だし、もう二度と行かないし、友人が行くと聞けば積極的に止めます。


■ベンダーキッチン 日吉店(Vendor Kitchen)
ニューヨーク名物の屋台(ベンダー)料理のひとつ「チキンオーバーライス」が日吉の町にやってきました。食券機左上の主力商品「ベンダー」は950円で、野菜マシやら何やらトッピングすると1,750円もしました。味は悪くはないのですが絵的に汚く、何より高い。ここは学生街であり安くて旨いラーメン屋も多いので、厳しい闘いを強いられることになりそうです。


■ちもと総本店/軽井沢
軽井沢の天然氷で名を馳せた「ちもと総本店」。なのですが、抹茶の風味が想像以上に激シブで目が覚めました。いわゆるカキ氷味を求めるのであれば、甘い系のフレーバーを選択したほうが良いかもしれません。
また、「ちもと餅」なる甘味も名物で、和のギモーヴといった味わいです。ド観光地の割に良心的な価格設定ですが、並ぶし冷房は効いていないしで、訪れるにはタフなバディが求められます。熱中症にご注意を。


■純喫茶 アメリカン/難波
https://tabelog.com/osaka/A2701/A270202/27005758/
ミナミは千日前通りの「純喫茶 アメリカン」。大阪が誇る老舗喫茶店であり、食べログでは百名店に選出されています。オールドスクールなホテルの喫茶室を切り取ったような雰囲気ですが、意外に若い人も多く、これまた意外に空いているので、ややもするとスタバより快適かもしれません。シンプルなコーヒーも結構美味しい。


■ブルックリンロースティングカンパニー なんばEKIKAN店 (Brooklyn Roasting Company)
南海の高架下を活用したカフェ。コンクリート打ちっぱなし(?)を活用したインダストリアルな内装で、日本人が想起するニューヨークっぽい雰囲気です。心なしか外国人ゲストも多い気がする。ドリンクはきちんと美味しく、値は張るもののサイズが大きいので納得。席にもゆとりがありオススメ。ミナミで時間を潰すときは大体ここに居ます。


■ブラッスリー エスプリ(Brasserie Esprit)/牧志(那覇)
ここはマジでヤバいですね予約を入れて訪れ店内はガラガラなのに恐ろしく段取りが悪くアミューズが来るまで30分も要しましたその後もどう見ても店内が回っていなかったので(料理人が何故か料理をしていない)入店後50分を経過した時点で見切りをつけ食前酒代だけを払って帰りましたきちんとカバーチャージを取るところが恐ろしいまあたまたま調子が悪かっただけかもしれません次は頑張ろう今回が最後なんだけどね。


■三木家(さんきや)/壺屋(那覇)
壺屋はひめゆり通りマクドナルド近くにある「三木家(さんきや)」。豚まんのお店として紹介されることが多いですが、私は餃子がお気に入り。分厚くモチモチした生地の中にはタネがギッシリ。具材のカットは粗くニンニクの風味が支配的で、精神的に食べ応えがあります。手土産で持っていくと人気者間違いなし。事前に電話して焼いておいてもらえば待つことはありません。


■ツチトイブキ/松尾(那覇)
私の大好きなワインに重きを置くレストラン「ワイン食堂トランク(Trunq)」の系列店。しかしながら当店はパっとしませんね。常連の溜まり場と化しておりスナックのような雰囲気。料理もツマミ程度しかなく量も少ない。あくまでワインショップ併設の角打ち程度に捉えましょう。


■沖縄イイダコ屋 うるマルシェ店/うるま市(沖縄)
タコ焼き1つに対してイイダコが丸々1つ入った企画系タコ焼き。見た目は面白いのですが、味は全然ですね。とりわけソースが人工的な味わいで私には無理でした。5つ800円という値付けも高い。


■上間てんぷら店/コザ
音楽の街コザの胡屋十字路にある「上間てんぷら屋」。てんぷら屋と称していますが弁当やおにぎりなどの食事系テイクアウトメニューも豊富に取りそろえられています。天ぷらはいずれも1個100円かそこらなので、夕食の追加のひと品はもちろんオヤツも丁度良い手軽さ。個人的には「ささみ」がお気に入り。現金社会の沖縄においてpaypayが使えるのも便利。


■島cafe とぅんからや/宮古島
宮古島南部、シギラのゴルフ場沿いにあるカフェ「島cafe とぅんからや」。眺望は当然に見事で、地元の黒糖やフルーツを用いたスイーツ類が自慢です。もちろん観光客向けであり価格は高めであり、雰囲気で食べさせるお店です。駐車場が広くハコも大きめなので、団体客に鉢合わせると地獄なのでご注意を。


■ぱぱ屋/石垣島
石垣の観光スポット「米原のヤエヤマヤシ群落」の駐車場目の前にある「ぱぱ屋」。いわゆるの地元のジュース屋なのですが、新鮮な生の果物と搾りたてのサトウキビジュースをその場でジューサーで混ぜ合わせる本格派。注文ごとに1杯1杯手作りし、味見をしつつ微調整して仕上げる念の入れよう。ホテルで2千円ぐらいの味がする。その辺の土産物屋のジュースと一線を画す味わいです。


■金城かまぼこ店/石垣島
石垣の老舗かまぼこ店であり、本店はもちろん公設市場や空港でも取り扱いのある人気店です。今回は昔ながらの製法でつくるカマボコの中に沖縄の郷土料理であるジューシーを詰め込んだものを頂いたのですが、うーん、これはすごくすごい別々に食べたいですね。350円という価格設定も妙に高い。「ブラックじゅーしーかまぼこ」に至ってはイカスミを練り込み中にはカレー風味のピラフ(?)が詰まっており、意味がわからないじゃん。

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ポ ブイユ(Pot-Bouille)/広尾

白金の住宅街にあった人気居酒屋(?)「酒肆SHIROKANE(しゅししろかね)」が広尾に移転。明治通り沿い「中華香彩JASMINE(ジャスミン)」のお隣であり、駅からは遠いがタクシーでのアクセスは抜群の立地です。店名はフランス語で「ごった煮」という意味らしいです。
「酒肆SHIROKANE(しゅししろかね)」時代からは随分とハコが小さくなりましたが、一体感を演出するカウンター席とテンションの高いサービスは健在。奥には個室のテーブル席が1卓だけあります。
お店のコンセプトから酒は高め。お料理はフランス料理を土台としつつもポテサラにシューマイにコロッケにカレーとジャンルレス。旨けりゃなんでもアリの姿勢です。
メニューに「メンマ」があり、なぜメンマが、ということで試しに注文。なるほどタケノコの煮付けのスパイシー版といった仕様であり、一般的なメンマとはまた違った酒の進み方です。
生ハムと柿のタルティーヌ。薄切りのバゲットに柿と生ハムが盛りだくさん。柿の上品な甘味と生ハムの塩気と旨味が良く合います。
アオリイカのクレソンのサラダ。イカには程よく火が通っており、甘味が増してイカそのものとして美味しい。クレソンの苦味もオシャレだし、これはもう、サラダというよりもツマミの一種です。
よだれ鶏ならぬ「よだれ豚」。お馴染みのピリ辛ソースに豚の脂身が良く合う。これはもう、牛肉や羊肉でも試してみたくなります。
シューマイは見るからに手作りで肉の密度が堪りません。とにかく肉の圧が強く、シューマイというよりもハンバーグに近い印象を受けました。
店名を冠した「ポブイユドッグ」。極太のソーセージをピザ記事で巻いて揚げたという背徳的な逸品です。やはり肉の密度は高く、ひと口ひと口に説得力のある迫力があります。トマト(?)のソースも洒落た味わい。
メインはビーフカツレツ。この日において最も攻撃力のあるひと品であり頑丈な美味しさ。ビフカツと言えば京都の印象が強いですが、東京のビフカツも堪らなく旨い。
〆に「まぜそば」。ネギやミンチ肉がこれでもかとぶちまけられており、卵黄と共にしっかり混ぜて最恵国待遇な旨さ。コシが感じられる太麺とも良くあっています。
ここから先はダラダラ飲むタイムで、自家製のポテトチップスを頂きました。おそらく私のそう短くない人生において最も美味しいポテトチップスです。
この日は酷く飲んだのでお会計はひとりあたり2万円を超えましたが、一般的な飲食量であればひとりあたり1万円ほどに落ち着くでしょう。

料理は相変わらず多彩で旨く、シェフのセンスの良さは健在。他方、ハコが小さくなったぶん常連客の主張が強くなり、途中で我が物顔でタバコを吸い始めたりと眉をひそめるシーンも多々ありました。夜が更けるにつれてその濃度は増していくので、普通のゲストは早い時間に訪れさっさと退店し、上手く棲み分けると良いでしょう。

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広尾は初デートに良い街です。謎にハイセンスな雰囲気と下町的な親しみやすさが同居する。飲食店も都内トップクラスの名店が比較的リーズナブルな価格設定に落ち着いています。

「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。