神鮮 和さび(しんせん わさび)/金沢駅

金沢の人気居酒屋「神鮮 和さび(しんせん わさび)」が2023年春にリニューアルオープン。内外装ともにピカピカの新しい気配を発しています。営業時間は17:30~であり、金沢駅から歩いて10分ほどなので、観光客のラストディナーに最適です。
店内はカウンター席が10ほどにテーブル席も10強といったところでしょうか。客単価は1万円を超えるお店ではありますが、あくまで家族経営の気の置けないカジュアルなお店です(荷物は地べたに置けと言われた)。
お酒は石川のものが多く旅行者にとって嬉しいラインナップです。ただし容量不明のグラスが1杯千円強と、まあまあ高いです。料理はコースもあるようですが、皆、アラカルトで注文していました。
お通しが豪華。じっとりと旨味が深い甘海老に魚のすり身のお団子でしょうか。人気の海鮮居酒屋らしい開幕です。
ちょうど香箱ガニの時期だったので(1年で2か月のみ)、脊髄反射で注文。脚の部分はカニ酢で、卵や内臓は日本酒でと多彩な味覚を楽しみます。
お造りの盛り合わせ。お造りだけ電話予約時にどうするかを問われ一瞬身構えるのですが、なるほどそう確認したくもなるほどの自信作。ガス海老や赤西貝などのレアキャラも取りそろえられており、北陸の海の幸が詰まっています。
ちなみにガス海老の頭はカリカリに焼いて、丸ごと食べるオツマミとして楽しむことができます。
能登牛のスジ肉の煮込み。ゼラチン質が豊富であるものの決してクドくなく、むしろエレガンスさえ感じさせる上質な味わいです。
加賀野菜の天ぷら。これはまあ、いわゆる居酒屋の天ぷらといったところです。
ガンドの竜田揚げ。ガンドとはブリになる手前の幼魚であり、ムチムチとした歯ごたえが特長的。思いきり高温で揚げられており調味も強く、これはビールが欲しくなる。
ブリのカマ焼き。見た目からは考えられないほど肉が詰まっており、可食部で200グラムは超えるのではなかろうか。酒よりも白ゴハンが欲しくなる旨さです。
にぎりもあります。しかしながら、妙な霧吹きでセルフで醤油を塗布する謎運用であり、シャリにもそれほど拘りは感じられず、うーん、これならお造りをたっぷり食べたほうが良かったかもしれません。
こちらはサワラ。と言っても金沢でサワラと言えばカジキを意味します。ちなみにいわゆる一般的な「鰆」は金沢では「柳サワラ」と呼ぶそうです。
天然のブリ。肉厚で迫力のある味わい。まるで陸や空に生きる肉を食べているかのようです。
ぶりとろ。ブリの脂身の部分であり、醤油を弾き返すほどの脂の瞬発力を楽しみます。
お椀にしじみ汁をお願いすると、白味噌仕立てでやってきました。しじみ汁と言えば澄んだスープが定番ですが、これはこれでありよりのありですな。

以上を食べ、そこそこ飲んでお会計はひとりあたり1.6万円。香箱ガニを始めとしたレア食材を楽しんでこの支払金額はリーズナブル。冒頭に記した通り金沢駅から近く料理の提供もスピーディーなので、金沢旅行のラストディナーにピッタリのお店と言えるでしょう。

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「大人絶景旅」と銘打ってはいますが、石川の名所をテンポ良くまとめています。グルメ情報も多くモデルルートの提案もあり、広告だらけのガイドブックとは一線を画す品質の高さです。