KIYAS(キヤス)/恵比寿

恵比寿のバス通りを白金方面へ向かい恵比寿二丁目あたり、「鍈輝(えいき)」の裏っかわあたりにあるモダンメキシカン「KIYAS(キヤス)」。もともとはイタリアン出身のシェフだそうですが、かなり思い切ったベクトルに方向転換です。
店内は木材を多用した温かみのある内装で、ディズニーシーのインディジョーンズをオシャレにしたような雰囲気です(以上、写真は公式ウェブサイトより)。ゲストの大半が外国人なのが印象的。店主とスタッフの2人体制なのですが、スタッフの方が明らかに動いているのに店主は偉そうに指示出ししているだけであり、中目黒「Audace (アウダーチェ)」の悲劇を思い出しました。
アルコールはワインやビールが千円程度から始まります。我々は5千円ほどのワインと日本酒のペアリングをお願いしたのですが、かなりの種類と量をお出し頂けるので、酒飲みであればペアリング一択です。
さっそくタコスがやって来ました。当店のタコスは粉から作っているようで、生地を丸めてプレスして焼いてと手間がかかっています。味もすこぶる良く、メキシコ本国で食べたタコスよりも美味しい気がする。添えられたスープは独特な辛味を湛えており斬新な味わい。
イサキのセビーチェ。周囲のピンク色のソースは大根だそうで、こちらも見慣れないピリ辛風味がきいていて興味深い味わいです。
続いてのタコスは豚肉のソーセージ(?)的な具材がのっています。タコベルなどのタコスに比べると全く別物と言って良い料理です。ソースが上手く、フランス料理のそれと比べるとアプローチが異なり興味深い。
こちらはフルーツほおずきにラクレットをドロリと流し込みます。チーズのムンムンとした香りとほおずきの仄かな甘味が良く合います。
こちらは鶏肉などが詰まった三角のギョーザのようなひと品。こんがりと揚がっており、サクっとした食感が軽やかで無限に食べれそう。
キノコと黒米チップスをカカオのソースで頂きます。深みのある味わいで実にオシャレな仕上がりです。
こちらは豚肉の煮込みでしょうか。パイナップルの甘味と酸味がきいており、ハワイのカルアピッグに似たニュアンスを感じました。
メインは長崎産の和牛のシンシンとシンカブリ。ザ・肉というよりは、手巻き寿司の要領でお肉をトルティーヤに挟み込んでいきます。これはもう、どうやったって美味しいし、楽しい。
デザートは自家製のプリンでコッテリと濃厚な味わいです。

以上のコース料理が8-9千円ほどで、アルコールのペアリングを付けてひとりあたり1.3万円ほどの支払金額に落ち着きました。かなりの種類のタコスを食べ、酒もたっぷり飲んでこの支払金額はリーズナブル。「TRUNK KITCHEN(トランク キッチン)」のタコス食べ放題も楽しいですが、当店はまた違った芸風であり、新鮮味を感じた楽しいディナーでした。

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