最初にして最大の残念なニュースは「オーダー形式でなくなった」です。開業当初は卵料理はもちろん中華粥などのややこしいメニューもテーブルからオーダーでき、「富士スピードウェイホテル」に似た運用だったのですが、その仕組みは全て排除され全てがビュッフェ形式へと変更されました。
ビュッフェ台に置かれた料理は取り立てて変化は有りません。コロナブロックのための透明の屋根みたいなフードカバーは無くなり、また、アルコール消毒や手袋を用いた運用もキレイさっぱり無くなっています。
ホットミールコーナー。冒頭に記した通り、オムレツなどの卵料理はオーダー制でなくなり、作り置きのものがズラりと並べれることとなり、ロマンもへったくれもありません。
他方、料理のラインナップは全くと言って良いほど変わっておらず、新鮮で味の濃い野菜にギッチリとスモークされたサーモン、念入りに炒められたキノコなど私好みの食材が続きます。
卵料理につき、先ほどはグダグダと文句を記してしまいましたが、食べてしまえば実に美味しい玉子です。スタッフ間での受け渡しや待ち時間が削減され、レストラン全体としての回転率も良くなり、ピークタイムに行列、みたいなことも減った気がしました。
カレーは相変わらず美味しいのですが、具材とりわけ牛肉の量が減った気がします。ちなみに金沢の民はカレーにオムレツなど火を通した玉子をトッピングする傾向があります。
ということで、オーダー形式でなくなりロマンは無くなったものの味わいについては変わらず、以前に比べて回転率が良くなったという印象です。
とは言え朝食だけで4千円近くを取るのにコーヒーも何もかもセルフサービスというのは如何なものか。朝食付きプランで無ければなかなか厳しい朝食だなあというお気持ちです。
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