虎の穴(とらのあな)/恵比寿

恵比寿駅から歩いて十数分、恵比寿二丁目の交差点近くにある「虎の穴(とらのあな)」。東京の焼肉シーンに「ハラミ」を広めた老舗であり、現在も根強い人気を誇ります。私は何故か常連向けの会員制「裏虎(うらとら)」に先にお邪魔したことがあり、これは起源となる店も行かねばならないと使命感に駆られていたところです。
お店は結構広く、店内には30席ほど。テラス席(?)にも数卓あります。実にカジュアルなお店で子連れ客が多く、普通に音を出したままゲームをするお子様多数といった雰囲気です。店長(?)のオッチャンは誰に対してもタメ口で、きっと天皇陛下がやって来たとしても態度は変わらないであろうクールな接客です。
酒は安くビールは600-700円ぐらいだったっけな。サワーや焼酎はもちろん自家製のマッコリもあり、昨今の飲食シーンにおいては良心的な価格設定と言えるでしょう。
ハツ刺し。力強い鉄分を感じつつもクリアな味わい。もうちょっと量が多いとなお嬉しい。
白菜キムチは全然美味しくないですね。ベタっとした人工的な味わいであり、そのへんのスーパーで売られているもの食べているかのようで、私の口には合いませんでした。
ナスのナムル。私は韓国料理に詳しいわけではなくナムルの定義がよく分かっていないのですが、ちょっと変わった味噌田楽的なフレーバーで面白かったです。
「虎の穴サラダ」はとっても美味しい。お野菜たちは実にフレッシュで、調味も全体を通して上手く回っており、サラダとして完璧な存在です。量もたっぷりであり必食のひと品でしょう。
上タン塩。ほどよく厚くきちんと肉喰ってる感を演出してくれます。
ハラミはスタンダードナンバーが欠品中で、飛騨牛のレアもののみのご用意。当然に美味しいのですが、値段を考えれば当たり前という意見もあります。
他方、カルビは並ながら見事な肉質で、このクオリティの牛肉がひと皿千円かそこらで食べることができるのは恵比寿二丁目の奇跡と言えるでしょう。
スジ煮込みも素晴らしく、よく味の染みた上質な煮込みをたっぷり食べて630円とは信じがたい費用対効果です。
ホルモン盛り合わせは思いのほか上品な味わいならびに量であり、これまでの肉類に比べると穏やかな味わいに感じました。
チジム(チジミ)が美味しい。表面はカリっと揚がったような食感であり、噛みしめるとモチモチとした弾力を楽しむことができます。このあと連れとチジミとお好み焼きはどっちが美味しいかという議論になりました。
〆に冷麺。ゴム紐のように強烈な歯ごたえを湛えており、その割にスープは穏やかな味わいです。好みは分かれるところでしょう。1,370円という価格設定についても、先のスジ煮込みの倍かあと色々考え込んでしまいました。
以上を食べ、軽く飲んでお会計はひとりあたり9千円弱。恵比寿というハイパー・オシャレ・タウンで上質な焼肉を楽しんでこの支払金額はリーズナブル。この満足度で「蕃 YORONIKU(えびす よろにく)」よりも安価とは心が温まります。一方で、メニューに拠って良し悪しがハッキリと別れているので選球眼が試されるところでもあるので、行き慣れた常連に連れて行ってもらうのが良いでしょう。

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