プティマルシェ(petit marche)/自由が丘

創業は1981年と、都内でも屈指の歴史を誇る「プティマルシェ(petit marche)」。自由が丘から歩いて5分ほどで、魅力的な飲食店が密集しているエリアに位置します。
店内はテーブル席で20席ほど。ゲストの殆どは常連で、みな当店と共に歴史を重ねてきた方々ばかり。我々はダントツのトツに若い客だったような気がします。ただ、やはりサービスや料理のテンポがいまいちで、私のようなアーバン・シティ・ボーイとは歩調が全く合いませんでした。
酒は高くなく、ボトルワインは6千円ほどのものが見え隠れし、シャンパーニュもボトルで1万円を切ります。メインに合わせてお願いしたグラスの赤なんて800円でした。
アミューズに大根のポタージュ。大地の甘味とコクが感じられる逸品で、後から振り返ってみれば本日一番のお皿だったかもしれません。
前菜盛り合わせ。左からシャケ、アナゴ、ラム。いずれも存在感のある味覚でありワインが進みます。
フォアグラのソテーはちょっと脂がクドクドしく、独特の臭みも感じられ、ソースもその甘さを後押しし、私の口には合いませんでした。
パンは黒ゴマの風味が強く、黒ゴマプリンを食べているかのようなニュアンスです。美味しかっただけに、パンのおかわりを持ってきてくれないのは寂しいところです。
お魚料理はオマール。ソースやリゾットは甲殻の旨味がきいて素晴らしいのですが、肝心のオマールがガリガリに瘦せており食べ応えがありません。うーん、これなら安いほう(オマール無し)のコースで良かったかなあ。
メインは鴨を選択。こちらも肉質が劣化しているというか何というか、長く冷凍もしくは冷蔵されていたニュアンスを感じ、フォアグラやオマールと似たような印象を受けました。
最近の日本のフランス料理店としては珍しくチーズが含まれています。ワインが少し残っていたのでコッテリ系のエポワスとモンドールをチョイス。きちんと管理された味わいで美味。
デザートは栗のスフレ風?的なものをお願いしたのですが、妙に部分的にひんやりとしていて期待していたスフレとは違いました。
お茶菓子とハーブティーでフィニッシュ。ごちそうさまでした。以上を食べ、安いボトルを1本とメインにグラスで赤を1杯頂いてお会計はひとりあたり1.6万円。量を考えればまあこんなもんかもしれませんが、第4世代全盛の今、BoAを聞かされているかのような感慨深みがありました。逆に考えると、「ル・マンジュ・トゥー(Le Mange-Tout)」などのオヤジフレンチは、未だに都心で若い人に交じって最前線で勝負していて尊敬する。

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