1時間に2本ほどしかない各駅停車に揺られ約一時間で上長瀞(かみながとろ)に到着。全くの無人駅であり、反対側のホームに移動するには線路を歩いて跨ぐ必要があります。首都の隣県にこんなところがあったなんて。
白玉トッピングは5個で200円。こちらはカキ氷というよりも、付け合わせの餡と合わせて食べるのが良いのかな。いずれにせよ、とても普通な白玉です。
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上長瀞駅から歩いて10分弱で「阿左美冷蔵 金崎本店」に到着。ちなみにここから歩いて15分ほどの長瀞駅すぐ近くに「寶登山道店」もあり、宝登山神社へのお参りをするのであればソチラに向かうと良いでしょう。
本店には主力の本館の他、大人向けラグジュアリー空間も2種類用意されており、それぞれの館で提供されるメニューは全て異なるとのこと。私は阿左美冷蔵初体験なので、まずは王道の本館にお邪魔することに。
どのタイプの館にお邪魔するにせよ、まずは総合受付に訪れる必要があります。それぞれの館とメニューの説明を受け、この場で注文を済ませます。ヲタクの読み通り待ち時間はゼロだったのですが、ピークの時季はここから数時間の待ちが生じるとのこと。
スタッフの先導に誘われ、敷地内の奥の奥へ。迫力のある古民家とその庭園が続き。1890年創業の歴史を感じるのですが、カキ氷店を開業したのは1992年とのことで、この建屋がもともとは何だったのかは私は知りません。誰か教えてください。
店内は昭和レトロとも言うべき独特の空間。お台場の「台場一丁目商店街」に似ています。ただ、我々の座席のすぐ裏側が厨房だったのですが、従業員のくだらないおしゃべりが激しく聞こえて来、雰囲気もへったくれもありません。
着席して数分で「蔵元秘伝みつ 極みスペシャル 」で、粒あん・白あん・抹茶あんが付いて1,600円です。注文した品が届き、その時点で現金支払という不思議な運用です。今にも溶け崩れそうな氷塊を前にして財布をゴソゴソするのは落ち着きません。
当店のカキ氷は長瀞渓谷のある宝登山の伏流水から作られた天然氷を削り出しているそうで、日光の「松月氷室(しょうげつひむろ)」と同様に日本では数少ない伝統的な製法です。ただし氷は氷、H2Oでしかないので、余程のフリークでもない限り天然氷とそうでない氷の間に有意な差を見出すことは難しいでしょう。私には何が特別なのかサッパリわかりませんでした。
また、無添加のシロップや粒あん・白あん・抹茶あんも美味しいは美味しいのですが、1,600円という価格設定を考えると当然のように感じました。代々木の「あずきとこおり」が都内の一等地で派手派手なトッピングをしつつ1,980円に抑えていることを考えると、あまりに費用対効果が悪いです。
こちらは期間限定の「アーモンドミルク&塩キャラメル」だったっけな。とはいえシロップが変わるだけであり、カキ氷そのものの仕様は同じです。
ネット上の口コミでは「ミネラルが豊富で微かに甘みが感じられる」「透明度が全く違う」「天然氷を用いているので頭がキーンとなりにくい」といった記述が多いですが、私は全く理解することはできず、都市伝説と捉えるべきなのかもしれません。「水道水で作る氷とは全く違う!」と感動している方が多いですが、おまえんちの水道はどんだけ濁っているんだよと問いたい。
左がアーモンドミルク、右が塩キャラメルのシロップ。語感そのままの味わいで当然に美味しいのですが、スタバのキャラメルフラペチーノと同じと言えば同じです。白玉トッピングは5個で200円。こちらはカキ氷というよりも、付け合わせの餡と合わせて食べるのが良いのかな。いずれにせよ、とても普通な白玉です。
以上の2品を食べて3,200円と、私の金銭感覚からすると絶対に許せない費用対効果でした。私の感覚ではせいぜい680円程度であり、何ならハーゲンダッツのほうが満足度は高いです。「高雄婆婆冰」ではたっぷりのマンゴーがトッピングされて400円程度ということを考えると邪知暴虐な価格設定と評さざるを得ません。
もちろん清流を守り伝統的な製法を守るという意味でコスト増となっている部分も多分にあるでしょう。そういう意味では伝統工芸品や骨董品を楽しむという道楽に近いものがあり、カキ氷の味そのもの以外の部分に価値を見出す必要があります。歴史と人件費を食べに行くつもりでどうぞ。
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