farm studio #203 (ファーム スタジオ ニーマルサン)/学芸大学

学芸大学駅から歩いて数分の場所にある「farm studio #203 (ファーム スタジオ ニーマルサン)」。人気の飲み屋が集まるエリアの雑居ビル2階に2019年に開業した、今風の中華料理店です。食べログでは百名店に選出。
カウンター8席のみの小さな店内。予約のゲストが帰ればすぐにフリーの客が訪れる大人気のお店です。濵田利彦シェフは徳島県出身で、「銀座アスター」で腕を磨いたのちリゾートホテルでサービスにも携わってきたそうです。
酒は高くなく、ハートランドが800円にグラスワインも千円を切ります。ただ、ソフトドリンクの類の種類が少なく中国茶が中心で、いずれも結構な価格なので、ノンアルコール族にとってはお茶ばっかりで3千円も飲めるかよ的な印象はあるかもしれません。
7千円のコース料理を注文。最初に「ヴィーガンサラダ」とのことですが、え?ナニコレこれがサラダ?そのへんの生春巻きよりも迫力がありません。
続いて甘海老の紹興酒漬け。ネットリと濃密な味わいで酒が進みます。卵がスプーンに取り分けられており食べやすい。
「スナックいろいろ」ということで、この日は右から大根餅、チャーシュー、ホタテの焼売に海老蒸し餃子。いずれもひと口サイズであるものの味コイメで酒飲みには堪らない誂えです。
左はソフトシェルクラブに右は北京ダック。いずれもやはり旨味が強く、アルコールのズっ友です。
「蝦夷あわび」とのことで、アワビとキノコのスライスが交互にプレゼンテーションされます。いずれも味は悪くないのですが、なんせ量が少ない。
「あさりの塩ラーメン」につき、ほんのひと口サイズであるためお口直しという位置づけでしょうか。油の風味は強いものの麺は細くスープはアッサリとしているため、流しそうめん的な印象です。
スペシャリテの「黒毛和牛の四川マーボー豆腐」なのですが、え、これ、2口分ぐらいしかなくない?確かにサイコロほどお大きさの肉片があるにはあるのですが、これだけで「黒毛和牛」と主張するのは図々しい気がします。肉ですらこうなのだから、豆腐も誤差程度の量しかありません。これまでの人生で最も量の少ない麻婆豆腐でした。
以上のコースが7千円。酒を飲んでひとりあたり1万円。味は悪くないのですが、とにかく量が少ない。2回転は余裕で食べることができるボリューム感であり、その意味では非常に割高です。隣客のチャーハンもお茶碗一杯ほどの量しかなく、パリコレモデルぐらいしか満足できないカロリー量でしょう。

「farm studio」と自称する割に全然お野菜出てこないし、どうしてこんなに人気があるのか摩訶不思議。「CKJ(シーケージェイ)」のように繊細な味覚でありつつもボリュームはしっかりあるお店は奇跡なのかもしれません。小食の方と共にどうぞ。

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それほど中華料理に詳しくありません。ある一定レベルを超えると味のレベルが頭打ちになって、差別化要因が高級食材ぐらいしか残らないような気がしているんです。そんな私が「おっ」と思った印象深いお店が下記の通り。
本場志向で日本人の味覚に忖度しない中華料理が食べたいかた必読の書。東京の、中国人が中国人を相手にしている飲食店ばかりが取り上げられています。客に日本人は殆どいないのですが、コロナ禍で海外に行けない今、ある意味では海外旅行と同じ体験ができる裏技が盛りだくさん。