お粥の麺の専門店チェーンながらミシュラン1ツ星を獲得し続ける「正斗粥面専家(Tasty Congee & Noodle Wantun)」。この日は九龍のショッピングモール「ELEMENTS」にあるお店にお邪魔しました。エアポートエクスプレス(機場快線)の乗り場の近くであり、「ザ・リッツ・カールトン香港(THE RITZ-CARLTON HONG KONG )」の麓あたりです。
週末は常に満席の人気店。店頭で整理券を発行し、ひたすら待ちます。少人数とグループで整理券を分けており、当然に少人数のほうが回転が速いです。内装は粥と麺の店にしては随分と高級感があり、従業員たちも実にテキパキと作業をこなします。
ところで、フードデリバリー用の置き場があり、ドライバーたちが店のスタッフに断りも無く勝手にレシートを照合して持っていくのが面白い。ちなみにドライバーと言っても香港はバイクやチャリよりも歩いた方が早い場合ので、最初から徒歩で配達する猛者も多いです。お茶代は自動的に8HKDが課せられていますが、少なくなれば直ぐに注ぎに来てくれるので、テーブルチャージとしては良心的です。日本のワンドリンクオーダー制は世界でも稀に見る珍奇な仕組みだと感じる今日このごろ。
注文してものの数分で着丼。一番人気のエビワンタン麺です。スープが黄金色に輝いておりブルゴーニュの樽のきいたシャルドネのようです。味わいも実に綺麗で、小じゃなくて大サイズにすれば良かったな。
ワンタンは宮古そばのように麺の下に沈んでいました。しっかりとしたサイズ感の海老であり、これはもエビワンタンというよりも海老です。
当店は畢竟、海老であると解釈し、点心の海老の蒸し餃子も注文。こちらもエビワンタンに比肩する味わいであり、というかニアリーイコールです。
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以上を食べて2千円ほど。うーん、味は美味しいのですがちょっと高いですねえ。近い時期に台湾で似たような料理を食べて3分の1ほどの支払い金額だったことを鑑みると、色々と鑑みてしまいます。もちろん香港の物価の高さや為替のタイミングなどもあるかもしれません。
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それほど中華料理に詳しくありません。ある一定レベルを超えると味のレベルが頭打ちになって、差別化要因が高級食材ぐらいしか残らないような気がしているんです。そんな私が「おっ」と思った印象深いお店が下記の通り。
- チャイナハウス龍口酒家(ロンコウチュウチャ)/幡ケ谷 ←東京の10,000円以下の中華だとダントツ好き
- 中華銘菜?陽(センヨウ)/東高円寺 ←率直に美味しくアラカルト可なのが嬉しい
- サエキ飯店/目黒 ←切れ味抜群
- ShinoiS(シノワ)/白金台 ←めちゃ美味しいんだけれど高いんだよなあ
- 4000 Chinese Restaurant/西麻布 ←王道中の王道の中華料理ですげえ旨い
- センス(Sense)/日本橋 ←あれだけ香港に通い詰めた結果、日本の飲茶が一番とは実に複雑な心境
- 南方中華料理 南三(みなみ)/四ツ谷 ←素晴らしい、何も言うことは無い
- 蓮香(レンシャン)/白金高輪 ←日本人が一般に想像する中華料理のイメージを打破する多彩な魅力
- 中華バル 池湖(いけこ)/渋谷 ←度を越した費用対効果
- 飄香/麻布十番 ←十番のランチではトップクラス
- 紫玉蘭/麻布十番 ←税込800円は神のなせる業
- VELROSIER (ベルロオジエ)/河原町(京都) ←フランス料理みたい
- 開化亭(かいかてい)/岐阜駅 ←過剰なものは何も無く、足りないものも何も無い
- Mott 32(卅二公館)/中環(香港) ←この中華料理はちょっと東京には無い
- Lung King Heen(龍景軒)/中環(香港) ←総合力という意味では香港における飲茶で私的ナンバーワン
本場志向で日本人の味覚に忖度しない中華料理が食べたいかた必読の書。東京の、中国人が中国人を相手にしている飲食店ばかりが取り上げられています。客に日本人は殆どいないのですが、コロナ禍で海外に行けない今、ある意味では海外旅行と同じ体験ができる裏技が盛りだくさん。