四条河原町エリアの新京極通にある「京極スタンド」。京都でもトップクラスに有名な酒場であり、昼から通しで飲める貴重な存在です。1927年創業の老舗であり、もともとは食堂から始まり、現在は定食も食べることのできる居酒屋といったスタイルに落ち着きました。
大理石のカウンターなど、店内の什器の多くは創業当時そのまま。レトロな雰囲気に溶け込みながら相席前提で酒を酌み交わします。ハードボイルドな酒場と思いきや、記念撮影に勤しむ女子グループなども大らかに受け入れています。
しかしながら外国人は一切見かけません。軒先の「ウチらは日本語しか話しひんから、じぶん日本語話せんのやったら他所いったほうがええよ」という注意書きが威力を発揮しているのでしょう。加えて現金のみの他、「本日お会計10%増し」のような独特のルールも規定されています。
酒は安く、大ビンが700円。サワーなどの酒も1杯500円かそこらです。注文を済ますと東南アジアの宝くじのような伝票が置かれ、これがどのような公式に基づいて計算されるのかは不明です。
きずし。漢字で書くと「生寿司」であり、関東で言うところのシメサバです。酢がキッチリときいており、キツめに締まっています。
牛すじこんにゃく煮込み。かなり濃い目に味付けられており酒が進みます。牛肉はちょっとに煮込まれ過ぎたのかエキスが抜けてパッサパサに感じました。はも天。関東ではきちんとした日本料理店でしか見かけることはありませんが、関西ではカジュアルな居酒屋にも置かれていたりします。身が厚く衣も厚く、見た目以上にドッシリとした食べ応えです。ただ、揚げ油が傷んでいるのか胸に込み上げてくるものもある。
自家製コロッケ。完璧な球体に仕立てられており、中にはジャガイモがギッチギチ。これぞジャガイモというホクホクとした食感であり、ジャガイモよりもジャガイモの味がしました。メニューには無かったのですが、近くのあんちゃんが注文していた「カツカレー」が旨そうだったので、我々も注文。ルーの粘度が低くサラサラとした口当たりであり、満腹でも茶漬けのように食べ切ってしまいました。
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以上を2人でシェアして食べ、軽く飲んでひとりあたり3,000円といったところ。冒頭の10%増しがボディブローのように効いており、格安店というわけではありませんが、その歴史や雰囲気を楽しむという意味では楽しいお店です。観光スポットのひとつとしてどうぞ。
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