貴船 仲よし(きぶね なかよし)/貴船(京都)

京都の夏の清流リゾート、貴船の川床。鴨川では「かわゆか」と呼びますが貴船では「かわどこ」と読みます。一般的には夏の終わりまでのイベントと捉えられていますが、ここのところ残暑が厳しい年が続くためか、10月に入っても営業している店がいくつかあります。
我々は老舗の「貴船 仲よし(きぶね なかよし)」に予約を入れました。国際会館駅または貴船口駅までマイクロバスで迎えに来てくれるので便利。貴船口駅からは登り坂を延々40分近く歩く必要があるし、車だと恐ろしく道幅が狭く離合が困難で慣れていないと相当厳しい。貴船観光は当店のような料理旅館のお迎えサービスを活用するのが良いでしょう。
ワオ!なんて素晴らしい空間づくり!もともと標高が高い上に緑に囲まれながら川の真上で飲み食いするので常にヒンヤリしています。ところどころ日光が射すのですが、お店の方が上手く日除けを作ってくれるので快適快適。子供たちは裸足になって、貴船川に足をつけて遊び始めました。
我々は「地鶏のすき焼き 上」というコースを注文しました。11,200円です。先付に抹茶ごま豆腐。味そのものは中くらいですが、京都に来た感を盛り上げてくれる設計です。
お造りはマグロにタイ、湯葉。当店というか貴船のメインディッシュはその空間づくりにあるので、料理については全く期待していなかったのですが(失礼)、タイは程よく熟成してあり旨味も乗って、想像の斜め上をいく美味しさでした。
鮎の塩焼き。焼きたての熱々でやって来て驚き。母屋の厨房から川床の席までは相当の距離と高低差があるはずなのに、このジャストインタイム感は素晴らしい。ここでバイトすると足腰が鍛えられること間違いなし。
名物の「地鶏すき焼き」が始まります。女将さんが軽快なトークと共に鉄鍋で皮目から焼き始め、お野菜などを手際よく敷き詰めていってくれます。
肉と野菜が煮え始めました。地鶏は地元の上等な鶏だそうで、一般的な焼鳥屋で出てくるおよそ全ての具材をこの一鍋で食べ尽くすことができます。正肉だけでなく内臓類も充実しているのが嬉しい。
健康的な卵を溶いて頂きます。ひと口食べて驚愕、何この鶏肉めっちゃ旨いやん。「ろばたやき山ろく」もかくやというクオリティの高さであり、ムキムキと締まりが良くパワフルで、肉そのものの味が濃い。噛めば噛むほどに鶏肉の深みのある風味がジワジワと滲み出て来ます。
鶏の味が濃いのでゴハンが進むのなんのって。お漬物もドッシリとした味わいであり、箸を進める手が止まりません。もちろんゴハンはお代わりOKです。
食後は川を眺めながら果物でサッパリとフィニッシュ。ごちそうさまでした。先に述べた通りメインディッシュは空間づくりであり、料理についてはディズニーランドぐらいかなあと覚悟していたのですが、なかなかどうして鶏料理として全く素晴らしいものでした。
食後は貴船神社を中心に散策し、気合いを入れて鞍馬寺までプチ登山。京都市内はまだまだ暑い日が続きますが、貴船界隈では今がベストシーズンかもしれません。残暑を逆手に取って、長い夏を心ゆくまで楽しみましょう。

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