首都圏を中心に展開を進める「中国ラーメン 揚州商人(ようしゅうしょうにん)」。この日は1990年にオープンした目黒の本店へとお邪魔します。権之助坂を下って右側にあり、私の推しの「とんかつ大宝(たいほう)」の並びです。
当店はもともと豚骨ラーメン店をいくつか経営していたそうですが、豚骨ラーメンブームが関東にも広がり始め、このままではレッドオーシャンへ突入すると危険を察知し中国ラーメンへと舵を切ったそうです。加えて点心や一品料理も豊富に取り揃えられています。
「ワンタンメンが美味しい」との噂を聞きつけたので、さすればワンタンだけ試してみようと「皿蝦ワンタン」を注文すると、うーん、普通に美味しいですが500円は高いなあというお気持ちです。台湾あたりの気軽な店だと同クオリティのものが200円ぐらいだからなあ。
さて、当店のスペシャリテは「スーラータンメン」なのですが、その提供500万食突破を記念して製作された新型兵器が「プレミアムスーラータンメン」。ベーシックなそれに比べて濃厚で黒酢も高級とのことで、なるほど一般に知られる酸辣湯麺とは別格の美味しさ。下手をすると客単価5万円の中華料理店よりも全然美味しいです。
酸辣湯麺は酸っぱくてアッサリした印象を持っていたのですが、この料理は濃厚にして豊潤。ふくよかな旨味と品の良い辛味も感じられ実に複雑な味わい。柔らかく煮込まれた牛肉もたっぷりと組み込まれており、これだけで酒が飲めてしまいそうです。
麺は極太と極細とその中間の3タイプからのチョイスであり、太麺原理主義者の私は当然に極太の「刀切麺(とうせつめん)」でお願いしました。讃岐うどんもかくやというガシガシとした噛み応えであり、麺食ってるなあという気持ちを引き上げてくれます。
「プレミアムスーラータンメン」に限って言えば素晴らしい出来であり、これで1,390円というのはリーズナブルと言えるでしょう。ツマミとなる料理もかなりの数を誇るので、ちょっとした飲みに使うのも良いかもしれません。とは言えまずは「プレミアムスーラータンメン」を試して下さい。本当に美味しいんだからね。
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目黒は焼鳥やトンカツ、カレーにラーメンと生活に密着した飲食店が多く、そのいずれのレベルも高い。地味ですが豊かな食生活が約束されている街です。
- サエキ飯店 ←食堂系中華の最高峰。
- レストランユニック(restaurant unique) ←ジビエが自慢。
- クロデグルメ(Clos Des Gourmets) ←1万円でお釣りが来るミラクルなフランス料理店
- 立飲ビストロシン サンテ(SHIN Sante) ←普段使いの最高峰。
- 手づかみDining 東京ハンズ(Tokyo Hands) ←大好きだ愛してる。
- リナシメント(RINASCIMENTO) ←前菜の盛合せ。ぐわー!なんだこりゃ!
- 和創作 太(わそうさく た) ←これをお買い得と言わずして何と呼べば良いのでしょうか。
- 鳥しき ←焼鳥界のレジェンド。
- LAND(ランド) ←目黒のカレーはコチラでキマリ。
- 薬膳スープカレーシャナイア(Shania) ←でもスープカレーならこっち。
- 支那ソバ かづ屋 ←下手な中華料理屋に行くよりも余程上質。ワンタンメンはマスト。
- 鶏そば きび ←まるで上質な水炊き屋のような味わい。
- とんき ←80年の歴史は伊達じゃない。
- タイ料理 みもっと ←ここはガチでやばたにえん。
市や区など狭い範囲で深い情報を紹介する街ラブ本シリーズ。2015年の『目黒本』発売から約4年の年月を経て、最新版が登場!本誌は目黒に住んでいる人や働いている人に向けて、DEEPな目線で街を紹介するガイドブックです。