店内には2-4名がけのテーブルが数卓あり、2階にもお部屋があるようです(以上、写真は食べログ公式ページより)。
ワンドリンク制なのですが、ちょっと飲み物の値付けが高いですねえ。当店のような気軽なお店で中瓶が千円というのは聞いたことがありません。他方、コエドが豊富に取り揃えられており、価格も900円~と相対的に安く感じました。当店の名物はもちろんカレーなのですが、ディナータイムは「薬膳ラム鍋」を主軸としたコース料理も提供しています。こちらはコースの始まりに供される「かくらサラダ」。ざるそばのように刻み海苔をトッピングするのが印象的です。
ブロッコリーのフリットとフライドポテト添え。御覧の通り単純な料理なのですが、スパイスを上手く用いており深みのある味わい。これはビールが進む味だ。ひと口ラムハンバーグ。ひと口といっても中々のサイズ感。粗挽きのラムの香りが非常に良く、たっぷりのスパイスとそのタレを絡めてとても美味しい。薬膳系の雑穀米(?)もチョコっと盛ってくれるのも嬉しいです。
主題の「薬膳ラム鍋」。野菜とキノコがたっぷりと盛り込まれており見るからに健康そう。スープには多種多様なスパイスが含まれており、それほど辛いというわけではないのですがジワジワと汗が噴き出てきます。
ラム肉は結構な厚切りで、しゃぶしゃぶというよりはしっかりと煮て食べていきます。ミルキーな肉質とスパイシーなスープが上手く溶け合い、あとひと口もうひと口と食べ進める手が止まりません。
看板料理の黒カレーのルーもお出し頂き、それに肉をディップして味変を楽しみます。このカレーも複雑に複雑を重ねたような味わいで、これは一度ランチに訪れてカレーそのもので楽しみたいと思わせてくれました。
お鍋は一旦下げられ、キッチンで雑炊に変身して再登場。先のスープが程よく煮詰まり、また具材から出た色んなエキスが複雑味を構成します。雑炊の概念を覆す完成度の高さであり、まさにSSRな味覚と評して良いでしょう。デザートはラムレーズンのアイスクリーム。これはきっとラム肉とかけたシャレでしょう。そうに違いない。
以上のコース料理が7千円弱。お鍋主体のコース料理としては中々に高価ですが、この味覚は唯一無二なので納得。恵比寿「クンビラ(KHUMBILA)」のヒマラヤ鍋もスパイスを多用した素晴らしい料理ですが、それとはまた違った方向性の味わい。次回はランチで訪れ「あい盛りカレー」の4種盛りを楽しみたいと思います。
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- レストランユニック(restaurant unique) ←ジビエが自慢。
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- 鳥しき ←焼鳥界のレジェンド。
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市や区など狭い範囲で深い情報を紹介する街ラブ本シリーズ。2015年の『目黒本』発売から約4年の年月を経て、最新版が登場!本誌は目黒に住んでいる人や働いている人に向けて、DEEPな目線で街を紹介するガイドブックです。