ル・プュイドール 金の井戸(Le puits d’or)/恵比寿

恵比寿駅から歩いて7-8分、恵比寿神社の脇のビル中二階にある「ル・プュイドール 金の井戸(Le puits d’or)」。ガイドブックで話題になることは少ないですが、グーグルマップでの評判が良かったのでお邪魔してみました。
シェフとマダムのおふたりで切り盛りされているお店であり、座席は10席ほどで。ホテルのダイニングの一角を切り取ったかのような空間で居心地が良いです。

渡辺恒シェフは東京をはじめヨーロッパのヒルトン系のホテルで腕を振るったのち、フランスで経験を積みました。帰国後は京王プラザホテルでの料理長を経て1989年に当店を開業。恵比寿の街では歴史あるフランス料理店です。
ワインはグラスで2-3千円のものが多くペアリング4杯で1万円と、お料理の代金に比べると比重は大きい。それほど飲まナイトいけない夜ではなかったので、1万円ほどのシャンパーニュ1本で通します。
前菜は本マグロのタルタルなのですが、それだけでなく色々と盛りつけられており可愛らしい。サーモンや鴨肉も用意されており、酒のツマミにピッタリです。
モンサンミッシェルのムール貝。サイズこそ小さめですが旨味がギュギュっと凝縮されており美味。貝由来のエキスを活かしたスープ(?)も粘り強い美味しさです。
なお、バゲットはごくごく一般的なものでした。
カリフラワーのピュレに甘海老の旨味を活かしたソース。いずれも土台のしっかりとしたコクを湛えており、ドッシリとした味わいです。
車海老と帆立の合体形態。それぞれの素材の美味しさはもちろんのこと、脇を固めるチーズ風味のリゾットなど総合力が勝利するひと皿です。
メインは黒毛和牛のフィレ肉。素材の味わいが素晴らしく、またソースはその肉汁をシンプルに活かしたもので真っ直ぐな味わい。付け合わせもいろいろ用意されており、いずれも丁寧な仕上がりです。
デザートも多種多様な味覚が用意されており、とりわけ大葉のシャーベットとシナモンのアイスクリームが心に残りました。
紅茶をゆっくりと味わってごちそうさまでした。以上のコース料理が1.4万円で、シャンパーニュをふたりで1本飲んでお会計はひとりあたり2万円といったところ。料理は実直にして手堅い味わいで私好み。ギッチリ客を詰め込んで2回転のような無粋な真似はせず、ゆったりとフランス料理を楽しんでもらおうという心意気が感じられる居心地の良いお店でした。

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