渋谷駅から徒歩7-8分、セルリアンタワー東急ホテルの40階にあるフレンチレストラン「タワーズレストラン クーカーニョ (COUCAGNO)」。都心のガチガチのフランス料理店のテーマとしては珍しくプロヴァンス料理を推すお店です。
地上150mからの夜景が圧巻。個室を含めて40席ほどのお店ですがスタッフ数はかなり多く、これぞホテルのダイニングというサービスレベルの高さを示してくれます。テーブルの殆どが窓際に配置されているのも嬉しい(以上、写真は公式ウェブサイトより)。
シャンパーニュで乾杯し、白赤1本づつと結構飲みました。ラグジュアリーな空間ながらボトルワインは1万円を切るものもいくつかあり、フランスを中心に世界各国のワインが公平に掲載されているワインリストです。注文する料理を決める前にアミューズが並べられ、食前酒を楽しみながらじっくりと検討します。それぞれ手の込んだひと口のお愉しみであり、もうこれだけでシャンパーニュを飲み干してしまいました。
スープはオマールの身とお出汁にカボチャが溶け込んだもの。カボチャのどっしりとした甘味に甲殻類特有の存在感のある旨味がよく響きます。
パンはごくごくシンプルなもの。全体を通してソースが濃厚民族というわけではないので、もう少しややこしいパンのほうが個人的には嬉しかった。
前菜は太刀魚。ふっくらと焼きあがっており舌先でホロリとほどけます。青柚子の香りも心地よく、付け合わせのズッキーニも存在感のある味わいです。
スペシャリテのブイヤベース。南仏の郷土料理をグランメゾン化したものであり、お魚はイサキにキンメにホウボウと、こんなに贅沢なブイヤベースは生まれて初めてです。土台となるスープは濃厚にして濃密。海の幸の豊かさを入念に楽しむひと皿です。
メインは和牛サーロインの炭火焼き。炭火で上手く脂を落としながら香ばしく焼き上げており、クドさを決して感じさせない逸品。西洋ワサビや九条ネギの風味も良く合っており、そのへんの焼肉屋とはレベルの違いを感じさせる完成度です。デザートはサヴァランを選択。果物のエキスをたっぷりと吸った生地が実にジューシー。
お茶菓子もキッチリと用意されており、いただきますからごちそうさまで、いや予約の電話からお見送りまで一貫して完成度の高いフランス料理です。
以上のコース料理が1.8万円ほどで、ワインを結構飲んでお会計はひとりあたり3万円といったところ。立地とお店の雰囲気、完璧な接客を含めて考えると実に良心的な価格設定であり、都心3区のちょづいたフレンチレストランに石を投げたくなるほどです。
ランチはより一層お値打ちで、眺望も含めてまた印象も違うので、次回はランチにお邪魔したいと思います。
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