恵比寿はビール坂の上流、日仏会館近くにある鮨店「くりや川」。そのセカンドラインの二毛作店として日曜日と月曜日のみ営業する「鮨 日進月歩(にっしんげっぽ)」がオープンしました。普通に検索すると私立恵比寿中学の曲が出てくるのでご注意を。
まずはビール。中瓶で880円と、恵比寿の鮨店としては悪くない価格設定です。日本酒のラインナップも豊富で半合からグラスで楽しむことができます。
座ってすぐににぎりが始まります。「どんちっちアジ 」というブランドものだそうで、なるほど脂が豊かでわかり易く美味しい。
ガリは薄切りで割にしっかりと色が付いています。シャリは2種類をタネによって使い分けており、赤酢バージョンのほうはビっとした酸味が立って私好みです。シマアジ。贅沢にも天然ものだそうで、脂がキレイに乗っています。カラシのサっとした辛みも心地よいアクセント。
サワラは軽く炙ります。焦げ目の食欲をそそる香りに凝縮した魚の旨味。何とも酒を呼ぶひと品です。
イワシの棒鮨。こちらもたっぷりと脂がのっていつつ、酢でさっぱりと頂きます。海苔の磯の香りが心地よい。
ヅケ。マグロは「やま幸」から取っているそうで、1万円を切るにぎりコースとしては大変に気前が良い。赤身から仄かな酸が感じられ、王道の美味しさです。
コチラは中トロ。サラリと上品な脂の乗り具合であり、全くしつこくありません。
コハダ。可愛らしく編み込まれており、見て美味しい食べて美味しい。
カツオは藁で軽く炙って香ばしく頂きます。当店のにぎりは全体を通して香りや酸味を大切にしているように感じます。
タマネギの酢漬け。サッパリとした味わいでお口直しにピッタリです。
マスコは生のものを醤油漬けで頂きます。スジコほどの暴力性はなく、塩味が心地良く舌先に溶けていく。
礼文島のバフンウニ。このウニは美味しいですねえ。何とも豊かで奥行きのある味わい。ややもするとアーモンドのような香りまで感じられます。私はウニを食べに礼文島まで行ったことがあるのですが、その時の何よりも今日のほうが美味しかった。
ハマグリは大ぶりサイズを低温で丁寧に調理しています。歯がスっと入っていく優しい食感にたっぷりとした貝の旨味が最THE高です。
〆に手こね寿司。大葉やミョウガを刻んでマグロと混ぜ込んでいくのですが、これは意図が良くわかりませんでした。普通の巻物で食べたほうが私は好きだったかもしれません。
ギョクは車海老やハモのすり身がたっぷりと練りこまれており、玉子というよりも魚介類に近い逸品です。
シジミのお味噌汁でフィニッシュ。ごちそうさまでした。
以上を食べ、軽く飲んでひとりあたり1万円強。おおー、これは良いですねえ。十番「すし家 祥太」のデビュー当時のランチを想起させる食後感で大満足。
最近の都心の鮨屋の値付けは5万も6万もして現実的でないので、これぐらいの支払金額で収まる鮨が最も満足度が高い気がします。家賃と人件費と客単価から逆算した流行の鮨店にウンザリしている方は是非どうぞ。
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恵比寿も十番に負けず劣らず良い街ですよね。1度住んで、片っ端から食べ歩いてみたいなあ。よそ者ながら印象に残ったお店は下記の通り。
- マッシュルーム(MUSHROOM) ←3皿取ってデザートやお茶までついて3,500円ってむっちゃ安くない?
- アリゴトゥール(Aligoteur Que du bonheur) ←美味しいを突き詰める旨いもの屋。
- 筑紫樓(つくしろう) ←ランチタイムは社会貢献活動かもしれませんが、それにしてもお得である。
- 鍈輝(えいき) ←コロナ・テイクアウトグルメグランプリ優勝店。
- クンビラ(KHUMBILA) ←スパイスのオーケストラともいうべき複雑な味わいが五感に押し寄せる。
- ブラチェリア デリツィオーゾ イタリア(BRACERIA DELIZIOSO ITALIA) ←ランチの信じがたい費用対効果。
- CarneSio east(カルネジーオ イースト) ←なんて素晴らしい費用対効果なのでしょう。
- ガストロノミー ジョエル ロブション ←やはり最強。季節ごとにお邪魔したい。
- チャイニーズダイニング方哉(まさや) ←ランチの千円担々麺が絶品。
- 晩酌屋おじんじょ ←恵比寿で居酒屋ならコチラ。
- 蕎麦懐石 義(ぎ) ←飲み物付きランチコース4千円がほんとうにすばらしい。
- えびすの安兵衛 ←超行列店。高知名物「屋台餃子」を恵比寿の地で!