京都は京都駅より南に行くと途端に飲食店が少なくなりますが、一方で、京都を代表する餃子店「ミスター・ギョーザ」があったりもします。1971年創業の老舗であり、食べログでは百名店に選出。近鉄の東寺駅とJRの西大路駅のちょうど中間地点にあり、どちらの駅からも徒歩15分と不便。それでもお昼時は行列必至の大人気店です。
開店時間目掛けて第一ロットを焼き始めているのか、着席して注文して出会って4秒ほどで餃子1人前が供されます。私の知る限り世界一食事の提供の早い飲食店であり、まさにファースト・フード。
皮は薄くパリパリに焼き上がっており香ばしい。続いてキャベツの甘味と豚肉の甘味が噛みしめるごとに滲み出てきます。タレは2種類の用意があるようですが、私は何もつけずそのままで楽しみました。隣のオッチャンは餃子2人前を4秒で提供され、ものの数分で平らげ退店。ハードボイルドな店である。
順序がテレコになっている気がしますが、餃子を半分ほど食べ終えた頃に「キュウリの丸漬け」が出て来ました。これが、旨い。シャクシャクとキュウリの食感を残しつつジットリと熟成した塩味が感じられます。
キュウリの丸漬けと同タイミングで「焼豚ラーメン」が着丼。時間を要する料理ではない上にゲストの進捗状況を斟酌するつもりはさらさらないお店なので、〆の炭水化物として食べようと考えている方は、その他の料理がほぼ食べ終わりつつあるタイミングで追加注文すると良いでしょう。
ラーメンは昔ながらの醤油ラーメンといったところであり、普通に美味しいですが普通です。焼豚は少々冷凍焼けしたような独特の臭みがありイマイチ。餃子が3百円かそこらであり、焼豚ラーメンが8百円強というのは少々割高。京都には旨いラーメン屋がたくさんあるので、敢えて当店で注文する必要は無いかもしれません。ラーメンを食べ終わるころに「鶏のから揚げ」が到着。6百円と中々に値は張りますが、美味しさもボリュームも中々のもので大満足。餃子のジューシーさとはまた違った魅力のあるひと皿です。
以上を食べて2千円弱。これはかなり羽振り良く食べた結果であり、他の多くのゲストは餃子2人前にライス、みたいな使い方をしている方がほとんどでした。課題は行列の長さであり、ピークタイムを外してと言いたいところですが、売り切れ仕舞いというシステムでもあるため、そのあたりを読めない。何なら事前に電話注文しておいて、テイクアウトで買って食べるのが一番賢い利用法かもしれません。いずれにせよ、3百円かそこらで食べる餃子としては見事なクオリティであり、過熱する人気にも納得のレベルの高さでした。
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