富士スピードウェイホテル(Fuji Speedway Hotel)/御殿場(静岡)

トヨタの肝入りで開業した「富士スピードウェイホテル」。ムッシュ豊田章男が幼少時に富士スピードウェイで日本グランプリを観戦し、帰りに箱根あたりのホテルに泊まって超楽しかった原体験から始まったプロジェクトです。
運営はみんな大好きハイアットであり、「アンバウンド コレクション by Hyatt」というブランドの試みは初です。ちなみに2023年秋には同ブランドで「ホテル虎ノ門ヒルズ(HOTEL TORANOMON HILLS)」が開業するそうです(画像は一休公式ウェブサイトより)。
ハイアット基準で当館は「リゾートホテル」なのですが、モータースポーツをリゾートに位置づけるのは外資系ならではの感性でしょう。東名高速道路の御殿場インターから車で20分の場所に位置し、御殿場駅からでもシャトルバスが20-30分ほどで出ています。
おお!と思わず声が出る大迫力のエントランス。私は日本のハイアット全てに宿泊したことがあるのですが、第一印象が一番激しいのは間違いなく当館でしょう。1階はミュージアムの入り口とボールルームであり、永田町のように長いエスカレーターをひたすら登った先にロビーがあります。
銀色の球体がお出迎えしてくれるのですが、これは世界中のサーキットコースを集めたものだそう。このように、館内にはモータースポーツに関連したアート作品が山ほど展示されています。
さて、そのロビーフロアに位置するオールデイダイニング「TROFEO ラウンジ」。我々はグローバリスト(ハイアット最上級会員)様なので、到着後すぐ当ラウンジに案内され、ウェルカムドリンクと共にチェックイン手続きを開始します。加えて当ラウンジでのアフタヌーンティーも予約していたので、部屋に行かずにそのままお茶を楽しむことにしました。詳細は別記事にて
アフタヌーンティーで人心地ついたのち、お部屋へとご案内。この日は「サーキットビュー GPスイート キング」へとご案内頂きました。広さは86平米だそうで、なるほど玄関の廊下から随分と広いです。
こちらはリビングエリア。ホテルでこれ以上はないと言えるほどのゆとりのある設計であり、開放感は抜群。壁や家具などがポップにカラフルなのですが、不思議と調和しています。
ベッドルームも広々としており、寝室なのにソファを置くほどの余裕があります。これはひょっとすると「パーク ハイアット ニセコ HANAZONO」のスイートルームよりもひと回り広いかもしれません。
どことなく「ハイアット リージェンシー 那覇 沖縄(Hyatt Regency Naha Okinawa)」の設計や取り回しが似ているような気がするのは気のせいでしょうか。
ミニバーにつき、ミネラルウォーターやネスプレッソ、各種お茶類は無料で、冷蔵庫の中やハードリカー類は有料とのこと。無料のものは電話すればいくらでもおかわりを持ってきてくれるそうです。
ウォークインクローゼットも広く、私の実家の自室よりも広々としているかもしれません。館内着がたいそう可愛らしく、サコッシュは持ち帰りOKとのこと。
また、館内をうろつく用のサンダルにチェッカーフラッグ柄の靴下も用意されていました。もちろん普通のフカフカした室内用スリッパの用意もあります。
テラスにはテーブルにイス、デイベッドまで用意されています。サーキットのダンロップコーナーからパナソニックコーナー、ホームストレートまで見渡すことができ、レーシングカーの唸り声が腹に心地よい。
ウェットエリアに参りましょう。ベイシンはふたつあり、やはり広々としています。
引き出しを開けるとアメニティが収納されているのですが、プラモデルのプチプチしたやつを模したもので思わず笑みがこぼれます。スキンケアセットは「MIKIMOTO COSMETICS」が採用されていました。
バスルームはバスタブ付きで広々としているのですが、温泉大浴場も用意されているので、短期滞在者は利用することが無いかもしれません。
トイレも広々としたものが2セット誂えられており、家族で泊まっても喧嘩になることはないでしょう。
ちなみに当館は徹底的にモータースポーツに拘っており、スイッチ類は例のパチパチしたものであり、、、
掃除中のサインもシャレがきいています。
共用設備に参りましょう。こちらはフィットネスセンターですが、120室のホテルとしては相当に豪華な仕様です。やはり世界のトップアスリートが滞在することを想定してのことでしょうか。
予約制でシミュレーターも使用することができます(写真は公式ウェブサイトより)。窓から見たコースをそのまま駆け抜けることができ最高に楽しい。音も良い。色んな車を選ぶことができ、調子に乗ってフェラーリなんぞも試してみたのですが、あれ、めちゃんこ運転難しいですね。
こちらは室内プール(写真は公式ウェブサイトより)。20mとホテルのプールにしては長めです。ただ、コースロープが張られていないので、そのうちガチ勢と子供が衝突して事故になる気がします。
温泉大浴場も用意されており、窓からドーンと富士山が見えます(写真は公式ウェブサイトより)。風呂あがりには地元の牧場の牛乳が牛乳ビンで用意されており、色々わかっているじゃないかと頷く瞬間です。
夕食は炉端焼きレストランの「Robata OYAMA(ロバタ オヤマ)」にお邪魔します。ホテルの和食は日本料理・鮨・鉄板焼きが鉄板であり、炉端焼きという業態は珍しいかもしれません(写真は公式ウェブサイトより)。好きなものを好きなだけ注文できるという自由度が素晴らしく、それでいてゲストを全く待たすことのない仕事の速さ。ホテルの仕事とはこうであると、そのへんの飲食店との場数の違いを見せつけられたディナーでした。詳細は別記事にて。
また、夜はメインバーとして「BAR 4563」も営業しています。赤を多用した内装でありメタリックな質感と相まって、モータースポーツを感じさせる演出がきいています。
朝食はメインダイニングの「トロフェオ イタリアン(TROFEO ITALIAN CUISINE)」へ。メインの卵料理を注文した上で、サラダや前菜などはビュッフェスタイルでの提供です。客室数は120と控えめであるため欠食児童がごった返すといった状況は決して生まれません。非常にゆとりのある空間設計です。詳細は別記事にて
朝食後は1-2階の「富士モータースポーツミュージアム」をお散歩。クラシックカーから現代のレースで活躍したマシンが展示されており、カーマニアたちが真剣に写真を撮っています。妙に外国人比率が高かった。
宿泊者は富士スピードウェイ構内に無料で入場することができるし、屋上ではタミヤのRCカーが楽しめたり、自前の車で富士スピードウェイの体験走行に参加できたりと、とにかく車好きの夢、豊田章男少年の思いが詰まったホテルでした。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。