目黒駅から徒歩数分の飲み屋街にある「キッチン セロ (kitchen cero)」。青いエクステリアが目印で、私の大好きな焼きとん屋「スタミナ串焼き 仲垣(なかがき)」の斜向かいあたりです。このあたりは小さな飲み屋が多くて楽しい。
鰻の寝床のように奥行きのある店内で、もともとは鮨屋だったのでしょうか、長い長いカウンターに沿ったネタケースが印象的。グーグルマップの口コミには「ワンオペで店主の感じが悪い」みたいなことが書かれていましたが全くそんなことはなく、むしろ3名体制で愛想が良いレベルです。どこかの店と間違ったんかな。ビールなどの一般的なアルコールはもちろんのこと、グラスワインもたくさん開いています。我々はボトルを中心に楽しんだのですが、小体なお店ながらラインナップは実に豊富でマニアック。
お通しはコンニャクのポテサラ風?ブラインドで食べれば何かわからないほど擬態された味覚であり素直に美味しい。アイデア賞なひと皿です。
他方、パンは全然美味しくないですね。近くのアトレで買って来たとしても、もうちょっとマシな気がします。
豚バラ肉の炙りと水ナスのサラダ。豚肉は信州飯田産の「千代幻豚」と呼ばれるものらしく、脂が潤沢で食べ応えあり。サラダというよりもツマミに近いひと皿です。
ヤリイカのフリット。ひと口サイズにカットされたイカちゃんとサクサクぽぽいと食べ進めます。ビールに最高のお供です。イワシの酢漬け。脂質豊かななイワシにバリっと酸味がきいて気持ちよい。なのですが、「すぐ出るひと皿」的なポジションだったのにかなり遅く出てきたのが悔やまれます。
ソムタム。なぜスペイン料理屋にソムタムが。しかしながらメニューを見渡すと結構アジア料理も散りばめられており、パスタもあったりフランス料理もあったりと、なんやかんやで無国籍料理屋なのかもしれません。
ホルモンの味噌煮込み的なひと皿。タレ(?)の部分は悪くないのですが、肝心のホルモンが微妙でコテッチャン的な味わいです。
パエリアも生米から炊いているわけではなく、西洋風の雑炊といった仕立てであり、全然美味しくありませんでした。
以上をふたりで食べ、そこそこ飲んでひとりあたり9千円。場所柄まあこんなもんかなあと思いつつ、注文内容を選べばもう少し健闘できたかもしれないという思いが強い。ガッツリ1次会からというよりも、2軒目3軒目に手軽なワインバーとして訪れるのが賢い使い方かもしれません。
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目黒は焼鳥やトンカツ、カレーにラーメンと生活に密着した飲食店が多く、そのいずれのレベルも高い。地味ですが豊かな食生活が約束されている街です。
- サエキ飯店 ←食堂系中華の最高峰。
- レストランユニック(restaurant unique) ←ジビエが自慢。
- クロデグルメ(Clos Des Gourmets) ←1万円でお釣りが来るミラクルなフランス料理店
- 立飲ビストロシン サンテ(SHIN Sante) ←普段使いの最高峰。
- 手づかみDining 東京ハンズ(Tokyo Hands) ←大好きだ愛してる。
- リナシメント(RINASCIMENTO) ←前菜の盛合せ。ぐわー!なんだこりゃ!
- 和創作 太(わそうさく た) ←これをお買い得と言わずして何と呼べば良いのでしょうか。
- 鳥しき ←焼鳥界のレジェンド。
- LAND(ランド) ←目黒のカレーはコチラでキマリ。
- 薬膳スープカレーシャナイア(Shania) ←でもスープカレーならこっち。
- 支那ソバ かづ屋 ←下手な中華料理屋に行くよりも余程上質。ワンタンメンはマスト。
- 鶏そば きび ←まるで上質な水炊き屋のような味わい。
- とんき ←80年の歴史は伊達じゃない。
- タイ料理 みもっと ←ここはガチでやばたにえん。
市や区など狭い範囲で深い情報を紹介する街ラブ本シリーズ。2015年の『目黒本』発売から約4年の年月を経て、最新版が登場!本誌は目黒に住んでいる人や働いている人に向けて、DEEPな目線で街を紹介するガイドブックです。