とり安/烏丸御池(京都)

烏丸御池駅から徒歩で数分の場所にある「とり安」。創業は1890年の老舗であり、軒先にかかる「かしわ」の暖簾が美しい。店内はカウンター6-7席に小さなテーブルがほんの少しと小さいお店なので(料理を除いて店内は撮影NG)、お昼時は行列必至です。
回転は速く、着席してからは5分ほどで着丼します。メニューは親子丼に唐揚げ丼など4種類に絞っており、このスピード感に一役買っています。
私は唐揚げ丼を注文しました。何とも優しいビジュアルで思わず笑みがこぼれます。玉子とじの部分はお出汁たっぷりで液状化現象が生じており、「飲める」と形容するに相応しい口当たりです。ハラリと振りかけた山椒の風味もよく合っています。
玉子の部に比べて唐揚げはハッキリとした味覚であり、大振りなカット・厚めの衣・しっかりとした醤油味と王道の味わい。これは玉子とじだけでなく「定食」で唐揚げ単体でも試してみたくなります。
他方、お椀は煮詰まっている感があり、ワカメは茶色く変色しています。千円を切るランチに多くは求めるべきではありませんが、丼そのものが大変美味しかっただけに悪目立ちしていました。

以上を食べて950円。質と量を考えれば(ゴハンめっちゃ多い)リーズナブルな食事であり、待ち時間さえ許されれば何度でも訪れたいお店です。

ネット上の口コミに接客に係る苦言が散見されますが、私は親戚のオバチャンやニイチャンと接しているぐらいの距離感に感じ、寧ろ心地よく感じました。丁寧な応対を求めるゲストは950円の丼屋ではなくホテルのダイニングを訪れると良いでしょう。

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