この日の日本酒のラインナップはコチラ。夏酒を中心にスイスイ飲めるものが多く、つまり二日酔いは確定です。
お通しはシソと玉ねぎのすり流し。液体にはホエー(ヨーグルトの透明な汁ね)を用いておりはっきりとした酸が感じられます。ペコリーノロマーノの塩気も心地よく、まるでイタリア料理のひと品のようです。
ヌルヌルのオクラにキウイとシェーブルチーズ。こちらは穏やかな酸を楽しむ逸品であり、鮨屋であることを忘れてしまいそうです。
お造り第一弾。ミズダコのヌッチヌチの食感とホタテの蕩けるような甘味が堪りません。第二弾はイサキにタイにホッキ貝。イサキが素晴らしいですねえ。厚みがあって、香ばしくもあり、記憶に残る味覚です。
カツオ。こちらも軽く皮目をあぶり、大根おろしであっさりと頂きます。当店お得意の厚切りサイズであり、ムシャムシャとした食感がナイスです。
お口直し(?)にウニと毛ガニをシャリに混ぜ込みました。甘味と旨味が混然となって米に溶けていき、レモンのキュっとした酸味が全体を取りまとめます。
鮎の焼き浸し。外食続きのつらみと言えば旬の食材が連続することであり、この頃の私は週の半分以上を鮎を食べているのですが、そのほとんどが塩焼きであり、こうして調味をしてくれるのは嬉しい限り。
信州サーモンの幽庵焼き。味濃いめで酒を呼ぶ味覚です。何ならシャケ弁に入れてしまいたいぐらいの主張であり、トドメにすりおろしたチーズと合わせて食べるのがイカしています。
一斉スタートから2時間45分が経ってからようやくにぎりです。エビ・クエ・イワシ・ヅケ・鰻と奈良漬け。エビが抜群に良かったですねえ。とにかく巨大で味に厚みがありました。また、クエをにぎりで出すのは当店としてはかなり珍しい試みでしょう。
この日も良く食べ良く飲み、ガッチリと二日酔い、いや、三日酔いに突入する勢いでした。連れは翌日に有給休暇を取って臨むほどの気合の入れようでした。
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鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
- すし匠/ワイキキ ←このお店の真価が問われるのは数十年後のはず。
- 鮨m(すしえむ) ←東京という街が必要とする鮨屋。
- 照寿司(てるずし)/北九州 ←世界で最も有名な鮨職人。
- すし宮川/円山公園(札幌) ←人生でトップクラスに旨い鮨。
- 鮨さいとう/六本木一丁目 ←価格設定に色々と考えさせられる。
- 鮨 在(ざい)/広尾 ←これこれ、鮨とはこれですよ。
- 東麻布天本/赤羽橋 ←欅坂46のような鮨。
- 初音鮨(はつねすし)/蒲田 ←西の照寿司、東の初音鮨。
- 鮨 猪股(いのまた)/川口 ←にぎりのみの男前鮨を喰らえっ!
- 鮨舳/瓦町(高松) ←真っ当な江戸前。銀座の半額で何度でも通いたい。
- くるますし/松山 ←松山への旅行が決まればいの一番に予約したいお店。
- 天寿し/小倉 ←何度でも行きたいし、誰にでもオススメできるお店。
- 鮨 一幸(いっこう)/すすきの ←真摯に鮨に取り組む好青年。
- 鮨処木はら(すしどころきはら)/函館 ←鮨屋の答えは函館にあったのです。
- 鮨 十兵衛/福井市 ←福井への旅行が決まれば最初に予約したいお店。
- 鮨 大門/魚津(富山) ←東京の鮨はもうオワコン。
- 小松弥助/金沢(石川) ←「まごころでにぎる」を体現する鮨屋。
- 乙女寿司(おとめずし)/片町(金沢) ←私的北陸一番鮨。
この本は素晴らしいです。築地で働く方が著者であり、読んでるうちに寿司を食べたくなる魔力があります。鮮魚の旬や時々刻々と漁場が変わる産地についても地図入りでわかりやすい。Kindleとしてタブレットに忍ばせて鮨屋に行くのもいいですね。