店内は厨房に面したカウンターに7-8席、テーブルもいくつかあって、全体としては20席強といったところでしょう(写真は公式ウェブサイトより)。地元民風のゲストが中心で、皆「旨いものを食いに来たぞ!」という活気に満ちています。
伊藤和道シェフは系列店の「カンティーナ カーリカ・リ」「あつあつ リ・カーリカ」で経験を積んだのち、当店の厨房を預かることとなったようです。
ワインリストは無くスタッフと相談しながら決めていくスタイルです。泡のボトルは6千円台からあり、かなりマニアックな品揃え。フランチャコルタ一辺倒のイタリアン界隈に一石を投じるラインナップです。
おまかせコースもあるようですが、我々はアラカルトで注文。メニュー構成は西小山「nerisa(ネリザ)」と同じです。まずは甘くて冷たいトウモロコシのスープ。白いほうはとにかく甘く、黄色いほうはトウモロコシらしさが強く感じられます。
スファッラータ。色んな米や豆がたっぷりで様々な食感が楽しめます。タコや野菜との組み合わせもよく、丸の内あたりで専門店を作ればOLたちが列をなすこと間違いなし。
3ヶ月間熟成させた猪のパテ。野趣あふれる味わいで、ワインを呼ぶ美味しさです。軽く炙っているためか凝縮感が増し力強い味わい。自家製の天然酵母パンに乗せて食べるとバリ旨いっす。
京都の岩ガキ。京都はあまり海産物のイメージはありませんが、こちらは日本海側の伊根湾のものだそうです。牡蠣の美味しさはもちろんのこと、サワークリームや白ワインのジュレを組み込みオシャレな味わいです。
鹿肉のサルシッチャ。猪のパテと同様にパンチのある味覚。もはや赤ワインが前提といって良いほどの迫力のある味わいです。
あかうしのミートソース。なのですが、麺がバリカタで悲劇的な味わい。突然どうしたんだろう。言い訳を聞こうか。ミートソース部分は美味しいだけに勿体ない。やっぱりスペシャリテの「ピチアリオーネ(手打ち太麺ニンニクトマトソース)」にすれば良かったかな。以上を食べて、ワインをひとり1本ペースで飲んでひとりあたり1.5万円ほど。どの料理も活気のある味わいでエナジーチャージな夕食でした。みんなでワイワイ旨いもんを食べに来るには最適のお店であり、近所にあれば通い詰めちゃうだろうなあ。学大近辺には系列店がいくつかあるので、ひとつづつ巡ってみようかしら。パスタはノーカウント。そういう日もある。
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イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。
- ウシマル(Ushimaru)/山武市(千葉) ←ちょっとした海外旅行に来たような満足感。
- ヴィラ・アイーダ(Villa AiDA)/岩出(和歌山) ←我が心のイタリアン第1位。
- プリズマ(PRISMA)/表参道 ←高価格帯のイタリア料理という意味では東京で一番好きなお店かもしれない。
- Il Lato(イル ラート)/新宿三丁目 ←お魚料理のひとつの究極系。
- ヴィンチェロ(Vincero)/新宿御苑 ←どのような大食漢が訪れたとしても満足すること間違いなし。
- リストランテ ラ・バリック トウキョウ(La Barrique Tokyo)/江戸川橋 ←無冠の帝王。
- TACUBO(タクボ)/代官山 ←ポイントは二番手の存在。
- アロマフレスカ(Ristorante Aroma-fresca)/銀座 ←好き嫌いを超えた魅力。普遍性。
- ザ・ひらまつ ホテルズ&リゾーツ 仙石原/箱根 ←最高の家畜体験。
- クッチーナ(CUCINA)/大垣(岐阜) ←何でもアリの旨いもの屋。
- ひまわり食堂/富山市 ←こねくり回すことなく、いま何を食べているのかハッキリとわかる味と量。
- プリンチピオ/麻布十番 ←こんなに有意義な6,800円があるか?
日本のイタリア料理の歴史から現代イタリアンの魅力まで余すこと無く紹介されており、情報量が異常なほど多く、馬鹿ではちょっと読み切れないほどの魅力に溢れた1冊です。外食好きの方は絶対買っておきましょう。