私的気になる店名オブザイヤーの「ポークビンダルー食べる副大統領」。代々木公園の人気店「クリスチアノ」の系列であり、ポークビンダルー専門という変わった業態です。渋谷駅・代々木公園駅から共に徒歩10分ほど。惜しまれつつも閉店した「パッポンキッチン」の跡地です。
お店はとにかくコンパクトで、ギッシリ詰め込んでも8席がやっとでしょう。メニューも「ポークビンダルー」しかないため、特に注文を取られることはありません。このあたり六本木「黒猫夜(くろねこよる)」に運用が似ています。
ゴハンをよそい、小さなコンロでリヒートして出すだけなので待ち時間は殆どありません。ちなみに「ポークビンダルー」とはポルトガル料理(「クリスチアノ」はポルトガル料理店だ)の「カルネ・デ・ヴィーニャ・ダリョス」という料理に起源を持ち、ポルトガルの植民地であるゴアでインドのスパイスとフュージョンして出来上がったカレーの一種だそう。ちなみに店名の「副大統領」はアメリカの大統領のアル・ゴアとインドのゴアを掛けたダジャレのようです。
ひと口食べてびっくり、物凄く酸味が強いです。加えて野菜や果物の甘味が強く、先に「カレーの一種」と記しましたが、もはや別物の料理と捉えたほうが良いでしょう。アタックはそれほど辛く感じないのですが、食べ進めるうちに自然と汗が噴き出てきます。
ライスは硬めに炊かれており、それほど熱くなくパクパク食べ進めることができます。ルー(?)に比べると素朴な味覚であり、あまり記憶に残りませんでした。ちなみにライスと中央に並べられたお野菜はおかわりOKです。
半熟のゆで卵も無料でひとつサービスされます。セルフで殻を剥くのは懐かしい感覚。先の「ポークビンダルー」に卵もついて千円ポッキリというのは悪くない価格設定です。ちなみにルーの大盛りはプラス200円でした。美味しかった。公式ウェブサイトには「本格派じゃないのでいじめないでください」と謙遜していますが、本格派だろうが何派だろうが旨いものは旨い。毎年ミシュランのビブグルマンを受賞しているのがその証拠でしょう。ときどき佐藤幸二オーナーの料理人仲間がコラボするスペシャルトッピング企画もあるようなので(私の大好きな「蓮香(レンシャン)」も参画している!)、次回はその機会を狙って訪れたいと思います。
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- SPICY CURRY 魯珈(ろか)/大久保 ←朝の7時から並ぶ必要のあるカレー。
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