餃子の店 もも/昭和町(大阪)

大阪は昭和町駅から歩いてすぐの路地裏にある「餃子の店 もも」。食べログでは百名店に選出されており、こんな所にこんなお店がと小さな衝撃を覚えます。
カウンター7席のみの小さなお店。ゲストの殆どが常連のようで、スナックよろしくおかみさんとのトークに花が咲きます。それでもおかみさんの手が止まることはなく、ワンオペながら実にスピーディーな運用です。
ビールは恵比寿の樽生。中々の飲みごたえであり、この量のエビスが600円で飲めるお店は珍しいと言えるでしょう。
「餃子焼けるまでちょっと待ってな~」と、サービスで豆苗のサラダをお出し頂けました。ベジファーストで望むところである。
イカの沖漬けが半解凍状態なのはご愛敬。手元でのんびりと溶かしながら酒を楽しみます。
さらにオマケで野菜スティックもお出し頂けました。ワンオペで調理に臨んではいるのですが、間が持たないと感じる前につくりおきの小皿をサっと出す。酒飲みにとっては堪らないシステムです。
餃子が焼き上がりました。1人前はひと口サイズで10個入り。焼きムラなくパリっと仕上がっており、食欲をそそる歯ざわりです。餡は思いのほかたっぷり詰まっており、タレなどつけなくてもそのままで美味しい。他の客はひとりあたり2枚3枚は当たり前に注文していました。
スープは生姜や胡椒などのスパイスがたっぷりきいており、パクチーも乗って東南アジアの屋台料理を食べているかのような気分です。
注文は出揃ったのちにもサービスでツマミをジャンジャンだしてくれます。トマトをコチュジャン(?)で漬けているのか程よく辛く、トマトの酸味と溶け合い新しい味覚です。
「セロリだいじょぶ?」と塩昆布で和えた一品もお出し頂けました。この夜わたしはビール・沖漬け・餃子・スープしか注文していないのに、この充実度合いです。
お会計をお願いすると冷凍庫からスっと出てくるピノ。完全にオカンのノリである。
お会計は2千円。ちょっと信じられない支払金額であり、注文した品数よりもオマケのほうが多かったという奇跡の餃子店。近所にあったら週に数回は通ってしまいそうです。ゲストのほとんどはひとり客であり、君たちとは仲良くなれそうだ。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。