中華麺店 喜楽（きらく）／渋谷

渋谷のラーメン屋をいくつか挙げるとすると、殆どのフーディーは五指に入れるであろう「中華麺店 喜楽（きらく）」。1952年創業の老舗であり食べログでは当然に百名店に選出。道玄坂の交差点を路地に入った「百軒点飲食街」というピンク色のエリアに位置します。
営業時間は11:30～20:30と使い勝手は良いのですが、なんやかんやで常に行列しています。1階はカウンター席で2階はテーブル席。おひとりさまの場合はグループ客をすっ飛ばしてパッパカパッパカ通してくれるので、独りで訪れたほうが色相は濁らないでしょう。また、フードデリバリー業者の出入りも活発で「あと2分！」「うぇい！」と、大箱のイタリアンレストラン顔負けの忙しさです。
私は奮発して「チャーシューワンタンメン（1,150円）」と「肉ヤサイ（650円）」を注文し、合計で1,800円。結論から言うと食べすぎであり、普通の食欲の方は麺類1杯に留めるのが無難でしょう。
チャーシューは分厚くドデカイです。パッサパサの口当たりで美味しいとは言い難く、またそのへんに放置されているのでラーメンとは冷え切った関係です。序盤に天地返しして水気と温度を補充しておくと良いでしょう。
ワンタンは自家製で、気前よく6つも入っています。味玉は今やアナクロに感じる固ゆでタイプであり、歴史を感じさせるひと品です。また、いわゆる老舗系のラーメンのスープはアッサリとしていて味気ないことが多いですが、当店のそれはしっかりとしたコクが感じられ、令和の時代に口にしたとしても記憶に残る味覚です。
麺は中々に太く硬めに茹でられており、モチモチとした食感で私好み。他方、ネット上の口コミには「ブレがある」「硬すぎる」とのコメントも散見されるので、好みだけでなく運にもよる部分もあるのかもしれません。
「肉ヤサイ」はヤサイというよりもモヤシが支配的であり、ラーメンにもモヤシはたっぷり入っているので被ってしまった感があります。「肉ニラ」にすれば良かったかなあ。お味は伝統的な街中華の肉野菜炒め、例えばみんな大好き恵比寿の「舞香（まいか）」のそれに方向性が似ているような気がしました。
以上を食べて1,800円。冒頭に述べた通り明らかに食べすぎであり、ラーメン1杯のみに留めておく、もしくは焼き餃子を追加してギリぐらいのトライがちょうど良かったかもしれません。
それでも「塩味の部」も気になるし、チャーハンなどの「御飯の部」も美味しそう。渋谷に用事がある際にはまた立ち寄ってみようと思います。

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