目黒は権之助坂を下りきった辺りの雑居ビル2階にある「Marcelo's(マルセロズ)」。熟成牛がメインのイスラエル料理店という珍しいコンセプトのお店です。古くからのグルマンにとっては旧店名の「ピンクカミラ(Pink Camila)」と言ったほうがピンと来るかもしれません。
店内は照明を落としており、どこかアメリカのステーキハウスを訪れたかのような印象を受けます(写真は公式ウェブサイトより)。カウンターに数席とテーブルで、トータルでは20席強といったところ。外国人ゲストが多く、店内の公用語は英語と覚悟として訪れましょう。
飲み物はイスラエルの飲み物が多く異国情緒に溢れています。が、私はこの日たっぷりビールを飲みたい気分だったので、ドイツのビールをチョイス。500ミリリットルで1,300円と、まあ、こんなもんでしょうか。
前菜にフムス。私は日本人としてはかなりフムスを食べる生活を送っているのですが、当店のそれは抜群に美味しいですねえ。ややこしいスパイスが山ほど入っており、その調和が実にエレガント。お隣の全粒粉のパンも深みがあり、さっそく胃袋を掴まれました。
サラダもステーキハウスで食べるような雑なものを想像していたのですが、何とも言えない酸味が隠し味に仕込まれており、日本人が表現できない清涼感を覚えました。あとこのトマトめっちゃ旨い。
主題のステーキ。オーストラリア産のブラックアンガス牛で、グラスフェッドの放牧牛を45日近く寝かせているそうです。とにかく肉の香りが良く食欲をそそります。がおー。
部位はフィレ、しっとりと柔らかな口当たりながら、噛みしめるほどに複雑な旨味が滲み出てきます。これはひょっとすると「Peter Luger Steak House Tokyo(ピーター・ルーガー)」のようなアメリカ系黒焦げ熟成肉ステーキよりも数段レベルが高いかもしれません。
以上のショートコースが6千円。肉そのもののの上質さと熟成技術の精巧さを考えれば悪くない支払金額です。肉がすげえ旨い。次回はグループで訪れて、ポーターハウスなどの巨大な肉塊を試してみたいと思います。
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- リナシメント(RINASCIMENTO) ←前菜の盛合せ。ぐわー!なんだこりゃ!
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- 鳥しき ←焼鳥界のレジェンド。
- LAND(ランド) ←目黒のカレーはコチラでキマリ。
- 薬膳スープカレーシャナイア(Shania) ←でもスープカレーならこっち。
- 支那ソバ かづ屋 ←下手な中華料理屋に行くよりも余程上質。ワンタンメンはマスト。
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市や区など狭い範囲で深い情報を紹介する街ラブ本シリーズ。2015年の『目黒本』発売から約4年の年月を経て、最新版が登場!本誌は目黒に住んでいる人や働いている人に向けて、DEEPな目線で街を紹介するガイドブックです。