西麻布の住宅街にある「麻布食堂(あざぶしょくどう)」。コンクリートがガーンとしたハコであり洋食屋っぽくはありませんが、この界隈では名の通った老舗洋食店であり、食べログでは百名店に選出されています。
お店は地下にあるのですが、テラスからお外の光が入るため、それほど地下だなあ感はありません。テーブルもゆとりをもって配置されており、大人がお子様セットを内緒で食べる秘密基地の様相を呈しています。
ランチのサラダはグリーンサラダ・トマトサラダ・ゴボウサラダの3種が用意されており、いずれも660円です。ランチのサイドメニューとして注文するには値が張りますが、量はたっぷりでクオリティもしっかりしており、値段に見合った美味しさです。
単品のハンバーグは1,300円。のっぺりとした造形でありボリュームしっかり。グラム数にして200グラムを超えるような気がします。付け合わせの野菜がほっこりと甘く、どこまでも優しい。
ハンバーグには玉ねぎのみじん切りが組み込まれており、その甘味が支配的。昔ながらのハンバーグといったスタイルであり、オカンのハンバーグをめっちゃ美味しくした感じです。火もしっかりと通っており、和牛を適当にレアで出す幼稚な流行とは真逆の芸風です。
看板料理のオムライスはケチャップかホワイトソースかを選ぶことができ、私は後者を選択。こちらも玉子トロトロふわトロオムレツ的な今風のものとは一線を画し、しっかりと火が通りカチっと形の定まったスタイルです。
チキンライスはケチャップの風味は控えめで、肉の出汁のような味覚を感じました。こちらにも玉ねぎのみじん切りがたっぷりと入っており、丸みのある甘味が特長的。ホワイトソースの優しい味覚も含め、心が穏やかになるオムライスです。
以上を食べ、お会計は3,360円。上質な洋食を腹いっぱい食べてこの支払金額はリーズナブル。やはり真面目な料理人が丁寧に作った料理には説得力がありますな。次回は夜にお邪魔して、ワインと共にオカズ系の料理を山ほど注文しようと決意しました。
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広尾は初デートに良い街です。謎にハイセンスな雰囲気と下町的な親しみやすさが同居する。飲食店も都内トップクラスの名店が比較的リーズナブルな価格設定に落ち着いています。
- TAIAN TOKYO(タイアン トウキョウ) ←この迫力はやはりフランス料理でないと到達できない。
- ア・ニュ Shohei Shimono ←フレンチをベースとした旨いもの屋。
- Alternative (オルタナティヴ) ←おもろくておいしい料理。
- レストラン アラジン ←記憶がハッキリと残る料理。
- レストランひらまつ ←何度も何度も訪れているのに美味しい。
- マルゴット エ バッチャーレ(Margotto e Baciare) ←あれだけのトリュフ料理とキャビアを食べてこの価格というのはリーズナブル。
- おでこ(au deco) ←フランス料理を食べ込んだ仲間たちでどうぞ。
- コントワール ミサゴ(Comptoir Missago) ←とにかく融通のきく旨いもの屋。
- ヨシダ ハウス(YOSHIDA HOUSE) ←日常に寄り添う究極の普通。
- ポンテ デル ピアット (PONTE DEL PIATTO) ←抜群に旨くてそんなに高くない。
- リストランテ ペガソ(PEGASO) ←接待や綺麗なデートにうってつけ。
- ラ トラットリアッチャ(La Trattoriaccia) ←令和のビスボッチャ。
「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。