とんかつ 和栗(わぐり)/日吉

普通部通り、駅から徒歩2-3分の好立地にある「とんかつ 和栗(わぐり)」。東京のとんかつフリークにはあまり知られていませんが、「とんかつ檍(あおき)」の暖簾分けの先駆けであり、港北区で一番と誉れ高いとんかつ専門店です。
行列を避けるため開店時刻11時の数分後にお邪魔したのですが、店内は8割の入り。その後も順調にゲストが訪れ、あっという間に行列が生じています。評判の良いトンカツ屋としては珍しくかなりの大箱です。
着席後20分ほどして「特上ロースかつ定食」が到着。肉が分厚いため、どうしても調理に時間を要するとのことで、これは仕方ありません。ライスの大盛りは別料金。キャベツは店内の誰もがおかわりしていなかったので、そういうシステムなのかもしれません。
「とんかつ檍(あおき)」の直系だけあって、肉はもちろん「林SPFポーク」。しっかりと揚げているためか、衣が黄金色を通り越して茶色に染まっています。質量は300グラムであり、「林SPFポーク」を定食で300グラムも食べて2,100円というのは良心的な価格設定でしょう。
肝腎の味わいですが、これは大変美味しいですねえ。蒲田にせよ大門にせよ「丸山吉平(まるやまきっぺい)」にせよ、檍系列において私はずっとリブロースかつを注文し、ちょっと脂キツキツやなあという感想だったのですが、当店の「特上ロースかつ」であれば脂の風味が過剰に感じられず、大変美味しく頂けました。もちろん「トンカツとは畢竟、脂である」という異論の存在も承知しており、そのあたりは好みの問題なのかもしれません。
ちなみに当店はソースよりも塩で食べることが推奨されており、こだわりのあるソルトが3種用意されていました。一方で、キャベツ食べる用のドレッシングなどは無いので、ソースをドレッシングの代わりとして活用しましょう。
ライスは硬めの炊き上がりであり私好み。一般的な定食の白ゴハンよりも量が多いため、少食の方は盛りを控えめにしてもらうと良いでしょう。
豚汁も美味しいですねえ。豚の風味がきいており、ところどころ肉の欠片も見受けられます。具材は大根や玉ねぎた中心で、この1杯でも相当に腹に溜まる代物です。
この小鉢は何だろう。ゼラチン質をまとった豚肉のようであり、何とも酒のツマミ感が強いです。この小鉢をランチタイムから提供するのは反則行為。どうしても酒を欲してしまいます。
追加で注文した300円の「おつまみカレー」。後生大事にとっておいたライスとトンカツを放り込み、セルフでミニカツカレーをクリエイトしました。ライスとカツの美味しさは当然として、カレーが思いのほかスパイシーで、ある種の爽快感すら感じる辛味が特長的。胃袋に余裕がある方は必ず注文するように。
美味しかった。「とんかつ檍(あおき)」の系列であることから、ある程度のクオリティは期待していましたが、その肩書だけかからは端倪すべからざる費用対効果であり、東京のアーバンとんかつコミニティの方々は全くノーマークなのが面白い。

正直なところ都心の6千円のトンカツなんかよりも全然美味しいので、モノの値段って何なんだろうと思い悩んだランチでした。

食べログ グルメブログランキング

関連ランキング:とんかつ | 日吉駅


関連記事
私は「とんかつ」という料理をそれほど好みません。だって、豚肉を脂で揚げるだけじゃないですか。それなのに、行列するは調理に時間がかかるわ結構効高価だわで、積極的に取り組もうとしないのです。したがって、私は物凄く「とんかつ」ならびに「とんかつ屋」について、検察官のようにシビアに評価しています。思い入れが無い分、信憑性は高いかもしれません。
>
とんかつを「超一流の大衆料理」として、グルメ業界の重鎮たちがひたすら議論を重ねる本。よくもまあとんかつでこれだけ語れるなあと呆れます。ここに記された「殿堂入り」のお店はさすがに外しません。