渋谷駅から歩いて10分ほど、ハンズの近くモンベルの裏あたりにある「ビストロ ロジウラ(Bistro Rojiura)」。店名の通り本当に路地裏にあり、軒先に大根とキャベツがダンボールのまま置かれているのがシュールです。代々木の「PATH(パス)」の系列であり、ミシュランではビブグルマン(安旨店)に選出されています。
店内はカウンターが7席にテーブルが10席、気持ちの良い季節にはテラス席(大根があった場所だ)も用意するそうです。ただ、この席数をワンオペでやらせるのは少し無理があるように感じました。
朝食が自慢のお店であり、フレンチトーストやクロックマダムが人気のようですが、私は遅い時間に訪れたのでいずれも売り切れていました。蛍光ペンで線が引かれた「※お一人様ワンドリンクオーダー頂いております」との注意書きが目に眩しい。「トマトとマッシュルームのサラダ」を注文するのですが、他のテーブルで下膳した手(使用済おしぼりを素手でカッツリ掴んでいた)を洗わないままトントントントンとマッシュルームを切り始めたので、私には無理です。もちろんスタッフを責めるつもりは毛頭なく、この席数をひとりに任されれば粗忽な瞬間が増えてくるのも仕方ないでしょう。
チキンカレーは1,430円。いわゆるお洒落風の味わいですが量は少なく割高です。個人的にはすぐそばにある「ポークビンダルー食べる副大統領」のような刺激的なカレー(?)のほうが好みです。
また、肝腎の鶏肉が全然美味しくないですね。美味しいエキスは全て抜けきっており、パサパサでスカスカの味わいです。ビストロとしてディナータイムも営業しているそうですが、このクオリティの鶏肉を用いているようでは厳しい勝負を強いられることになりそうです。
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また、肝腎の鶏肉が全然美味しくないですね。美味しいエキスは全て抜けきっており、パサパサでスカスカの味わいです。ビストロとしてディナータイムも営業しているそうですが、このクオリティの鶏肉を用いているようでは厳しい勝負を強いられることになりそうです。
デザートに「あんバターリコッタチーズサンド」を注文。上質な粒あんを用いておりバターもたっぷりで中々美味しい。ただ、660円という強気の価格設定であり、コーヒーも一緒に注文すると1,160円です。これなら成城石井の「あんこバター」とパンを買って、自宅で上手くやったほうがいいやという方もいることでしょう。私がそうです。
ところで、コーヒーカップのちょうど口をつける部分がチップしており、危うく唇を切りそうになりました。この日の支払金額はひとり4千円近くにも及び、高級ホテルでの朝食に比肩するコストを負担しているはずなのですが、カップがチップでリップがヘルプであり、リッチでVIPな環境からは程遠かったのがとても残念です。
軒先に届けられたダンボールは放置したままで、料理人は満足に衛生状態を保つことができず、食器の破損にすら気づくことができない作業と時間に追われた職場環境。もちろん現場スタッフに責任はなく、やはりこの客席数をワンオペでこなすのはコンセプトとして無理があるな、と、しみじみ感じたランチでした。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。