外苑前駅から歩いてすぐにオープンした「restaurant origami(レストラン オリガミ)」。マンション(?)1階の雑居フロアのテナントで、入店までのアプローチが独特です。店名は同じですがキャピトルホテルのオールデイダイニングとは関係ないと思います。たぶん。
店内は12席と小さいですが、シェフのワンオペで回しているため色々と時間を要します(写真は食べログ公式ページより)。料理のテンポが悪いのは当然として、飲み物やカトラリーの用意、お会計に至るまで何かと時間がかかるので、支払金額の割にストレスの多い食事でした。
天野智詞シェフは「ラ・ベットラ・ダ・オチアイ(LA BETTOLA da Ochiai)」で15年過ごしたのち渡伊。各地の名店で経験を積んだのち、帰国後は人形町「Il Profumo(イル プロフーモ)」の厨房を預かり、2022年夏に当店を開業。
ワインはグラスとボトルの用意がありますが、グラスでお願いすると一旦シェフの料理の手が止まるので他のゲスト含めたお店全体の進捗状況に影響を与えます。我々は気を使ってボトルで注文するのですが、手酌で温度管理もできず、ロマンの欠片もありません。さすがにサービスの人間を置いた方が良い気がします。
ちょっとしたお口取りが出てくるまで入店から20分を要しました。塩気が効いて旨いですが、さすがに待ちくたびれた感はある。
つぶ貝と菜の花。素材そのものの味わいを立てつつトマトの風味でアクセントを付けていきます。
ホロホロ鳥はゴルゴンゾーラのソースで。美味しいのですが、10人以上のゲストをワンオペでこなしつつ、こんなややこしいツマミを用意する必要性はあるのかと考え込んでしまいました。
ヒラメのカルパッチョは素直に美味しいですね。ほろ苦いお野菜と共に大人の味わいです。
つぶ貝と菜の花。素材そのものの味わいを立てつつトマトの風味でアクセントを付けていきます。
ホロホロ鳥はゴルゴンゾーラのソースで。美味しいのですが、10人以上のゲストをワンオペでこなしつつ、こんなややこしいツマミを用意する必要性はあるのかと考え込んでしまいました。
ヒラメのカルパッチョは素直に美味しいですね。ほろ苦いお野菜と共に大人の味わいです。
アオリイカとズッキーニ。イカそのもののクニクニした歯ごたえとズッキーニのジューシーな食感が良く合います。
黄アラのフリット。揚げたてのホクホクとした歯ざわりが心地よく、バーニャカウダ風のパンチのあるソースも酒を呼ぶ美味しさです。
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イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。
黄アラのフリット。揚げたてのホクホクとした歯ざわりが心地よく、バーニャカウダ風のパンチのあるソースも酒を呼ぶ美味しさです。
パスタは4種から2種を選ぶことができるのですが、うーん、そこまで客に自由度を持たせる必要はあるのかとも思えました。何度も言うように12席・10皿以上のコース料理をワンオペでこなすなんて、どんなスーパーマンでも無理ゲーでしょう。せめて一斉スタートにしたり、パスタの種類を統一するなどの工夫は必要に感じました。
ちなみにパスタそのものは大変美味しく、モノに拠っては自家製の麺もあったりと手が込んでいます。美味しいだけに、間延びする待ち時間は勿体なく感じました。パンば天然酵母を用いた自家製パンとのことで間違いなく美味しいのですが、シェフの限られたリソースをそこに割く必要があったかと考えると疑問です。手作りが全てに勝るとは限らない。
メインは鴨肉のローストですが妙に筋張っており、あまり心地よい食感とは言い難い。底に敷かれたゴボウのソース(?)は良かったので、たまたま良くない個体が当たったのかもしれません。
〆の食事としてリゾットも出て来ました。イカの旨味がきいており、黒くないイカスミリゾットのような強烈なコクがあります。
デザートひと皿目は濃厚なチョコ風味の上に、これまた濃厚なアイスクリームをトッピング。小さめポーションですがドッシリと存在感があります。
メインのデザートはアップルパイの再構築。サクサクとした食感と共に濃密なジェラートの余韻を楽しみます。
以上を食べ、2人で1本飲んで水やら何やらでひとりあたり1.5万円。あれだけの料理と品数を9千円で出す心意気は天晴れですが、3時間を費やすほどの食体験ではなく、やりたいことが多すぎて整理ができていないように感じました。手が遅いとかそういう問題ではなくコンセプトとして無理がある。味は良いだけに勿体ない。
〆の食事としてリゾットも出て来ました。イカの旨味がきいており、黒くないイカスミリゾットのような強烈なコクがあります。
デザートひと皿目は濃厚なチョコ風味の上に、これまた濃厚なアイスクリームをトッピング。小さめポーションですがドッシリと存在感があります。
メインのデザートはアップルパイの再構築。サクサクとした食感と共に濃密なジェラートの余韻を楽しみます。
食後のお茶には小菓子も付きます。コチラもおそらく手作りでしょう。
以上を食べ、2人で1本飲んで水やら何やらでひとりあたり1.5万円。あれだけの料理と品数を9千円で出す心意気は天晴れですが、3時間を費やすほどの食体験ではなく、やりたいことが多すぎて整理ができていないように感じました。手が遅いとかそういう問題ではなくコンセプトとして無理がある。味は良いだけに勿体ない。
満席の時とガラ空きの時では食後感が大きく変わり、前者の場合はとにかく間延びするので、かなり仲の良い人とじゃないと会話が持たないことでしょう。デートでの利用はある種の賭けなのでご注意を。
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イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。
- ウシマル(Ushimaru)/山武市(千葉) ←ちょっとした海外旅行に来たような満足感。
- ヴィラ・アイーダ(Villa AiDA)/岩出(和歌山) ←我が心のイタリアン第1位。
- プリズマ(PRISMA)/表参道 ←高価格帯のイタリア料理という意味では東京で一番好きなお店かもしれない。
- Il Lato(イル ラート)/新宿三丁目 ←お魚料理のひとつの究極系。
- ヴィンチェロ(Vincero)/新宿御苑 ←どのような大食漢が訪れたとしても満足すること間違いなし。
- リストランテ ラ・バリック トウキョウ(La Barrique Tokyo)/江戸川橋 ←無冠の帝王。
- TACUBO(タクボ)/代官山 ←ポイントは二番手の存在。
- アロマフレスカ(Ristorante Aroma-fresca)/銀座 ←好き嫌いを超えた魅力。普遍性。
- ザ・ひらまつ ホテルズ&リゾーツ 仙石原/箱根 ←最高の家畜体験。
- クッチーナ(CUCINA)/大垣(岐阜) ←何でもアリの旨いもの屋。
- ひまわり食堂/富山市 ←こねくり回すことなく、いま何を食べているのかハッキリとわかる味と量。
- プリンチピオ/麻布十番 ←こんなに有意義な6,800円があるか?
日本のイタリア料理の歴史から現代イタリアンの魅力まで余すこと無く紹介されており、情報量が異常なほど多く、馬鹿ではちょっと読み切れないほどの魅力に溢れた1冊です。外食好きの方は絶対買っておきましょう。