明福台菜海產/民権西路(台北)

路地裏の古ぼけた料理店ながらミシュラン1ツ星をサプライズ受賞し話題となった「明福台菜海產」。地下鉄の民権西路駅から歩いて7-8分の場所にあり、こんなお店が本当にミシュラン星付き?と驚く店構えです。ちなみに台湾芸人であるマダム渡辺満里奈はミシュラン云々以前に長年にわたって通い続けていたそうです。
店内は7-8人がけのテーブルが5-6卓のみという小さなお店。客層はてんでバラバラで、3世代にわたる家族の食事会であったり、お友達同士のお誕生日会であったりと、いずれにせよ大人数で訪れワイワイ楽しむお店です。

ちなみに当店のスペシャリテは「仏跳牆」、別名「ぶっとびスープ」であり、あまりお坊さんがぶっとんでしまったというスープ。最小サイズでさえ5人前はあり1万円を超え、事前の予約も必要という敷居の高いメニューです。私は友達が2-3人しかいないので、一生食べることはできないでしょう。
ちなみにミシュランを受賞してからは予約が困難が日々が続いているようで、我々は「Grand Hyatt Taipei(グランドハイアット台北、台北君悅大飯店)」のコンシェルジュに予約を入れておいてもらったのですが、あのポンコツホテルが予約を前日に入れてしまうというポカをやらかしてくれちゃって入店時にひと騒動ありました。店員は「日本人は無連絡でドタキャンとか絶対しないから、おかしいなと思っていたんですよ」と、全幅の信頼を置かれている日本人。日台の関係が悪くなったらどうしてくれるんだとハイアットに対する黒々とした怒りが沸いてきます。
何やかんやで数分の待ちで済み、そこからのオペレーションは実にスムーズ。注文後数分で到着する「山蘇」の炒め物。シャキシャキとした歯ざわりに滋味あふれる青い味。炒め物でありながら実に爽やかな味覚です。
エビ春巻きなのですが、ミンチ状の海老がヤワヤワな生地に巻かれて揚げられており、ちょっと思っていたのと違いました。私は海老のプリっとした食感を残した春巻きが好きなのだ。
魚介類が自慢のレストランなので、トコブシの焼き物も注文。トコブシそのものは悪くないのですが、謎にマヨネーズで焼きつけており幼稚な味に仕上がっているのが残念。バター醤油焼きとかでいいのにな。
牡蠣のディープフライなんとか。牡蠣は日本で口にするものよりも小ぶりであり、いわゆる台湾の牡蠣オムレツで使われるものと同種でしょう。エビ春巻きと同様に揚げ(?)のスタイルが好みでなく、量も多いので途中で飽きがきました。
〆の炭水化物にカラスミチャーハン。チャーハンながら時価という恐るべき料理であり、この日のプライスは7,000円ほど。それでも量はたっぷりなので、4-5人で食べれば悪くないでしょう。とにかくカラスミの量が多く、その辺の土産物屋でカラスミを買うよりも安くつくかもしれません。他方、チャーハンが美味しいというよりはカラスミが美味しいだけという意見もある。
デザートは1種のみでタロイモのお団子。日本で言うところのゴマ団子のような物体であり、内部には餡が詰まっています。ホクホクとした食感で思いのほか美味しく、本日一番の品でした。
以上を2人で食べ、軽く飲んでお会計はひとりあたり7-8千円。うーん、普通に美味しいですが、ちょっと高いですねえ。もちろん魚介類については高級なものを用いており妥当な金額なのかもしれませんが、旅行者が求めている食事とは少し違うような気がしました。高額な割に現金払いのみというのも不便です。

必死こいて国際電話をかけて予約して訪れるのではなく、現地のお友達の飲み会に誘ってもらってお邪魔する、みたいな楽しみ方が正解のような気がしました。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。