御所南、東洞院通にある洋食店「ヒグチ亭」。烏丸御池駅から歩いて4-5分です。ランチ千円台~とお値段控えめながら、京都産の食材にこだわる洋食として人気のお店です。
店内はカウンターが7-8席にテーブル席が結構あって、この座席数相手に料理人ひとりという布陣で大丈夫なのかと勝手に心配してしまいます。また、春先にお邪魔したため室温がとても低く、脱いだコートを再び羽織ったほどです。
悪い予感は当たるもので、このスープが出てくるまで15分を要しました。別にカボチャを裏ごしする所から始めているわけではなく、鍋でリヒートしているだけだというのにこのスピード感です。加えて開店と同時にお邪魔したのは私だけであり、この後の展開に不安を覚え始めました。
入店してから30分経ってようやく供された前菜盛り合わせ。味は悪くはないのですが、どうしてゲストがひとりだけなのにこんなに時間を要するのだろう。ノーランの映画のように時空が歪んているのかもしれません。左上のミル貝を用いたライスサラダなどは独創性を感じるのですが、この待ち時間を考えれば美味しさも半減です。
パンは自家製で、さきの前菜と合わせて食べるにちょうど良し。先の前菜盛り合わせのひとつであるパテドカンパーニュ(と言いつつレバーペーストのようでもあった)を塗りたくって食べると良いでしょう。
オマール海老のクリームコロッケが絶品。見た目は素朴なコロッケですが、中身のクリーム部分が全くの茶色であり、なるほどオマールの味噌を練り込んでいるという仕様でした。食べるソースアメリケーヌともいうべき濃厚な味覚であり、これは一本取られました。
京都産黒毛和牛ハンバーグ。挽きが非常に細かくソーセージに近い舌ざわり。ここから先は好みかもしれませんが、食感に乏しくジューシーさも控えめだったので、最近流行のザックリ系ハンバーグに食べ慣れた諸氏にとっては思うところがあるかもしれません。私がそうです。
デザートはマカロンを盛り付けたパフェ。悪くはないのですが、これまでの料理に比べると盛り付けただけのやっつけ仕事感があり、総体的に悪目立ちしました。
食後の紅茶でフィニッシュ。ごちそうさまでした。
以上を食べて、2,500円。品数を考えれば大変にお値打ちです。ただ、品数が多いのは嬉しいのですがシェフがどこかノンビリとしており、この席数をひとりで処理しなければならないという自覚はあるのかと問い質したい気分です。もちろんゲストの大半が有閑マダム風であったため、私のような心に余裕の無いせっかちピーポーには向いてないお店なのかもしれません。時間に余裕をもってどうぞ。
関連ランキング:洋食 | 烏丸御池駅、丸太町駅(京都市営)、京都市役所前駅
関連記事
京都はとにかく和食がリーズナブルですね。町全体の平均点が高いのはもちろん、費用対効果も良いことが多い。その文化に影響を受けてか、欧米系のレストランにも目が離せない魅力がある。
- 木山(きやま)/ 丸太町 ←マイ・ベスト・京都メシ。おひとりさまも大歓迎。
- にくの匠 三芳(みよし)/祇園 ←これは確かに匠だわ。確かに肉の匠だわ。
- 祇園にしかわ/祇園 ←今の東京は何かが狂っていると言わざるを得ない。
- CAINOYA (カイノヤ)/四条河原町 ←鹿児島で国内外のフーディーを集める店が京都に移転。
- Gibier MIYAMA(ジビエミヤマ)/祇園 ←ダークファンタジー。
- VELROSIER (ベルロオジエ)/河原町 ←足し算の中華料理。
- 室町 和久傳(むろまちわくでん)/烏丸御池 ←やっぱり和久傳が好き。
- 田がわ/御幸町 ←幸村卒業。近い将来、星獲得間違いなしのリーズナブルな和食。
- 又吉/祇園 ←雰囲気のある街並みに溶け込む費用対効果抜群のお店。
- 末友/祇園 ←ミシュラン2ツ星。非の打ち所が無いお店。
- 祇園にし/祇園 ←こちらも非の打ち所のないお店。
- 十牛庵/高台寺 ←ひらまつが手がける和食店。ワインがめちゃめちゃ安い!
- レストランひらまつ 高台寺 ←立地や雰囲気が抜群。
- 祇園 呂色 (ぎおん ろいろ) ←円熟味を増した料理人は儲けよりもゲストの笑顔を直でゲットする方向に向かう。
- 呑喜屋むね(のんきやむね)/御所南 ←ここが私のアナザースカイ。
- 山元麺蔵 (やまもとめんぞう)/岡崎 ←私が世界で一番旨いと考えるうどん屋。