クアラルンプールに出張に行くと駐在員が必ず連れて行ってくれるのが「客家飯店(Hakka Restaurant)」もしくはココ「Restoran Stadium Negara(スタディウム ネガラ)」。いずれもクアラルンプールの中心地にあり、ランドマークであるペトロナスツインタワーから歩いて10分ほどです。
丸の内のようなコンクリートジャングルの街中にポッカリと佇むオープンエアの大箱レストラン。何とも地元っぽい雰囲気で、プラスチックの椅子の座り心地が旅情を掻き立てます。念のため予約を入れておこうとホテルのコンシェルジュに連絡してもらったのですが、「予約は不要。直接来なはれ」とのことでした。
ビアガーデン的な雰囲気に沿ってビール類が豊富。大ビンで600円程度と、東京の金銭感覚からは割安なのですが、地元の方にとっては高いと見られる向きもあるようです。
なお、当店の名物は「スチームボート」という鍋料理なのですが、今回は2人でお邪魔したため小皿料理を単品で色々注文することに。いわゆるマレーシアで魔改造された中華料理なので、日本人の味覚にも良く合います。
メニューの写真から指差し注文したので何かはわかりませんが、たっぷりの野菜が油でガンガンに炒められています。調味に魚醤か何なのか、海の幸を発酵させたような味わいが感じられるのが特徴的。エビ料理は100グラム単位で注文できます。調理方法や味付けなども細かく指定することができ、こちらは炒めでスイート&チリ的なフレーバーに仕上げてもらいました。エビが大きく食べ応えがあり、パンダエクスプレスの上位互換とも言える美味しさです。確かこのひと皿で600円程度であり、エビ好きには堪らない価格設定です。
こちらはホタテの黒胡椒炒め。ドライな仕上がりを想像していたのですが思いのほかタレっぽい口当たり。爽やかな胡椒の香りが暑い夜に彩を添えます。
スチームボートと双璧をなす名物の手羽先料理。山ちゃんの手羽先に比べると一回り大きいサイズ感で、甘辛いタレを絡めてじっくりと焼かれています。日本の焼鳥のタレ味にベクトルが近く、日本人であれば誰もが好きな味わいです。
フカヒレと卵をスクランブルエッグ風に調理しドーム状に盛り付けたもの。添えられたレタスで巻きながら頂きます。これまでのコッテリした調理に比べるとシンプルな味覚であり、パクパクと食べ進める手が止まりません。〆の食事もメニューの写真から指差し注文したので何かはよくわかりませんが、日本で言う焼きうどんてきな料理。麺は中華あるあるでクタクタに火が通っており溶けてしまいそうな柔らかさですが、これはこれでありよりのあり。
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以上、さんざん飲み食いしてひとりあたり4-5千円といったところ。量と質を考えれば随分にお値打ちです。料理の種類がとにかく多く、また鍋料理を楽しむことも考えれば大勢で訪れると楽しいお店。街の中心で深夜まで営業しており使い勝手も良い。なるほどクアラルンプール在住者の間で不動の人気を誇る理由が良くわかりました。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。